「月間」契機にテレワークに注目を|気ままに労働雑感
内閣府地方創生推進室やデジタル庁、総務省、厚生労働省など関係省庁・団体で構成するテレワーク月間実行委員会は、11月を「テレワーク月間」と位置づけ、テレワークの普及推進に向けた取組みを集中的に展開しています。
総務省や厚労省では、テレワークの導入を促進するためのセミナーを会場参加形式やオンライン形式またはその併用によって各地で実施するほか、25日には、関係府省による「『働く、を変える』テレワークイベント」を東京都内で開きます。
同イベントでは、他社の模範となっている企業を表彰する「輝くテレワーク賞」(厚生労働大臣表彰)や、テレワークの導入がなじまないと思われている業態で特色ある優れた取組みを行っている企業などを対象とする「テレワークトップランナー2024総務大臣賞」などの表彰式を行います。
今年度の総務大臣賞は、対面販売が中心の家具販売業でありながら、従業員の8割がテレワークを実施している株式会社山岸製作所(石川県、27人)などが受賞しました。
同社ではショールームや配送業務以外でテレワークを活用できるようにしています。
さらに、大手企業に所属する人材を「副業人材」としてテレワーク勤務で採用し、マーケティングや人材育成面で活用しています。
テレワーク導入などの影響で残業時間が減少したほか、新入社員の獲得にもプラスに働いたといいます。
時間や場所を有効に活用できるテレワークは、仕事と家庭の両立を図る観点から大きなメリットがあります。
そのため、導入企業にとっては人材確保や定着率の向上などの効果が期待できます。
人材の確保・定着を強化したいと考えている企業は、月間のセミナーなどを活用し、テレワーク導入に向けた検討を行ってみてはどうでしょうか。
一方、現行の労働時間制度においては、事業場での労働とテレワークが混在している場合に、出勤時には通常の労働時間管理、テレワーク時にはフレックスタイム制で働くといった運用が認められていません。
さらなるテレワークの普及には、フレックスタイム制の柔軟化など、使い勝手を向上させるための法制度の見直しも課題になるでしょう。
労働新聞編集長
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