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同一IDを複数事業所に付与――雇調金オンライン申請ダウンで

雇用調整助成金のオンライン申請が即日ダウン(1回目)しましたが、その原因は申請事業所の担当者名やメールアドレスが閲覧可能になるという事態が発生したためです。
加藤厚労相は記者会見で、「オンライン受付システムを開始した早々にこうした事態を招いたことに心からお詫びを申し上げたいと思います」と謝罪しました。

具体的には、初回の登録時に、複数の者が同時刻に登録を行ったことで、同一のIDが付与されるという現象が生じてしまいました。
その結果、他人の個人名やメールアドレスなどが閲覧可能になるという不具合が生じたということです。

オンライン申請をスタートした5月20日の8時30分からダウンした13時33分まで、2000件を超える登録者がありましたが、そのうちの550件のIDが複数の事業者に付与されてしまいました。
1つのIDが2~6件の事業所に付与され、結果として延べ1200件超に膨れ上がってしまいました。

閲覧された可能性のある情報は、メールアドレス、担当者氏名のほか、電話番号、社労士番号、社労士の所属事業所名、金融機関名、金融機関口座番号など多岐にわたっていますので、注意が必要です。
ただし、上記の通りIDが重なった事業所間で閲覧可能となっただけで、不特定多数ではありません。

厚労省では、当日に登録作業をしたすべてに対して、登録者データおよび申請データを全て破棄すること、オンライン申請の再開時期についてホームページ上で公表することなどを通知し、併せてお詫びを入れています。

その後、オンライン申請は、6月5日12時に再開しましたが、なんと再度即日ダウンしました。
今度は、申請を行った会社の添付書類の一部が他者に閲覧可能になるという事案が判明したそうです。
給与明細までもが閲覧できたということです。厚労省は「再開したばかりでこの様な事態となり、ご不便をおかけしております」と2度目の謝罪をしました。日本のデジタル技術に暗雲ということでしょうか?

労働新聞編集長 箱田 尊文

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