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労働新聞編集長の気ままに労働雑感

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#助成金

「実質無料」が不正受給に|気ままに労働雑感

東京労働局など5労働局はこのほど、人材開発支援助成金「人への投資促進コース」の不正受給に関与した定額制訓練の提供会社1社の社名を公表しました。労働局によると、同社は、申請事業主に対して営業協力費などの名目で訓練経費を補填する原資を交付することにより、実質的に事業主の自己負担なしで助成金を申請させるスキームを考案。自己負担なく訓練を受講できるうえに一定の利益が残ると事業主に説明し、虚偽の助成金支給申請書の作成を主導していました。 同スキームは、同社と申請事業主の間で訓練契約を

助成金活用で27万人が106万円の壁突破へ|気ままに労働雑感

福岡資麿厚生労働大臣はさきごろ開いた記者会見で、運用開始から1年が経過した「年収の壁支援強化パッケージ」の利用状況を明らかにしました。年収106万円の壁対策として創設したキャリアアップ助成金の社会保険適用時処遇改善コースについては、「今年8月末時点で、27万人の労働者への活用が予定されています」と実績に触れたうえで、「パッケージの活用は着実に進んでいると思われますが、引き続き多くの事業主に活用いただけるよう、さまざまな機会をとらえて周知広報に取り組んでまいりたい」と話しました

「分かりにくさ」がネックの人材開発支援助成金|気ままに労働雑感

厚生労働省がこのほどまとめた「令和5年度能力開発基本調査」で、過去に人材開発支援助成金を利用したことがない事業所が9割を超えることが分かりました。 利用しない理由として、助成率の低さや、金銭的な理由がなく職業訓練を行っていないことを挙げる事業所は少なく、手続きが面倒または制度が分かりにくいことが最大の理由になっています。 同助成金は、事業主が労働者に対して訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。現在は、人材育成支援コースや教育訓練休暇等付与