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労働新聞編集長の気ままに労働雑感

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2024年7月の記事一覧

パワハラ相談、是正指導件数が増加傾向に|気ままに労働雑感

改正労働総合施策総合法によって令和4年4月から中小企業にも義務付けられたパワーハラスメント防止措置などを巡り、労働者から都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に寄せられる相談件数が増加しています。 厚生労働省の集計によると、大企業のみが義務化されていた令和3年度には2万件程度だったのに対し、義務化対象が広がった4年度は2倍以上となる4万6149件に増加。5年度には、その1.3倍となる6万53件に上りました。相談件数の増加とともに、都道府県労働局による是正指導件数も大幅に増えて

「分かりにくさ」がネックの人材開発支援助成金|気ままに労働雑感

厚生労働省がこのほどまとめた「令和5年度能力開発基本調査」で、過去に人材開発支援助成金を利用したことがない事業所が9割を超えることが分かりました。 利用しない理由として、助成率の低さや、金銭的な理由がなく職業訓練を行っていないことを挙げる事業所は少なく、手続きが面倒または制度が分かりにくいことが最大の理由になっています。 同助成金は、事業主が労働者に対して訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。現在は、人材育成支援コースや教育訓練休暇等付与

知っていますか? エイジフレンドリーガイドライン|気ままに労働雑感

政府は6月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針)において、今後の政策の方向性として、「高齢者の労働災害防止のための環境整備の推進」を盛り込みました。厚生労働省では今後、労働政策審議会において本格的な議論を行っていく方針です。 政府が高年齢労働者の災害防止対策を重視する背景には、60歳以上の死傷労働災害件数の大幅な増加があります。 全雇用者に占める60歳以上の労働者数の割合が高まるなか、その上昇割合を上回るペースで、死傷者数全体に占める6

国内外企業の「職務給」を紹介|気ままに労働雑感

労働新聞では、7月1日号から新しい連載企画を掲載しています。 そこで、新連載のなかから一部を紹介したいと思います。 読者の皆様から寄せられた「労務管理に関する基本的な事項を学びたい」などとの意見を受けて開始したのが、『ケーススタディー 人事学Q&A』です。身近に起こるトラブルや、そのタネに対して具体的にどのように解決を図っていけばよいかについて、咲くやこの花法律事務所の西川暢春弁護士にご解説いただきます。 初回では、着替え時間の取扱いを取り上げました。今後、使用期間中の解雇