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労働新聞編集長の気ままに労働雑感

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2021年12月の記事一覧

裁量労働制適用者の健康確保へ|気ままに労働雑感

厚生労働省はこのほど、今年7月に設置した有識者会議「これからの労働時間制度に関する検討会」の第7回会合を開き、今後の論点案を示しました。 裁量労働制について、「時間配分や仕事の進め方を労働者の裁量に委ね、自律的で創造的に働くことを可能とする」といった趣旨に沿った制度にするための方策を論点の1つに挙げています。 具体的には、対象業務や対象労働者のほか、制度適用に当たっての本人の同意および同意の撤回、健康・福祉確保措置のあり方などを検討課題としています。 第6回までに行ってき

生涯現役社会実現へ企業がすべきこと|気ままに労働雑感

弊社は12月7日、労働政策審議会会長の清家篤氏を講師に招き、労働新聞創刊70周年記念オンラインセミナー(第3部)を開催しました。 少子高齢化が急速に進むなか、生涯現役社会を実現するための雇用慣行の見直しや社会保障制度改革の方向性などについて解説していただきました。 清家氏は、少子高齢化の最大の問題として、経済社会の支え手となる労働力人口が減少する点を挙げました。 労働力人口が減ると、生産と需要が減り、所得も減るとしています。 さらに、社会保障制度の財源となる保険料を相当高

安全対策強化し年末の災害防止を|気ままに労働雑感

昨年に引き続きコロナ禍のもとで企業活動が行われてきた令和3年も、残り3週間余りとなりました。 今年は全国で死傷労働災害が増えているため、慌ただしさが増す年末には、各社における一層の安全対策の強化が求められます。 厚生労働省がまとめた令和3年における労働災害発生状況(11月速報値)をみると、死亡者数は前年同期比28人(4.8%)増の613人となっていて、休業4日以上の死傷者数は同1万8,537人(20.1%)増の11万910人と大幅に増えています。 死傷者数は、製造業や建設

厚労省分割論に後藤大臣の考えは?|気ままに労働雑感

後藤茂之厚生労働大臣は11月30日に開いた記者会見で、取り扱う範囲が広く、新型コロナウイルス対応で業務量が著しく増加している厚生労働省の分割論に対する考えを明らかにしました。 記者団から厚生労働省の複数大臣制や分割論に対する考えを聞かれた後藤大臣は、同省の業務量の多さを認める一方、「組織論からいうと、現役世代が減少して社会構造の変化が起こるというときに、社会保障施策と雇用労働施策を一体的に横断的に実施できる組織というのは、今の時代にとっては適切な組織だと思います」と、分割に