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労働新聞編集長の気ままに労働雑感

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2021年10月の記事一覧

トヨタの“強靭さ”の理由は個人の考え抜く力と姿勢|気ままに労働雑感

弊社は10月21日に、労働新聞の創刊70周年を記念するオンラインセミナーの第一部を開催しました。 多くの方にご参加いただきまして、ありがとうございました。 当日は、元自動車総連会長で元連合副会長の加藤裕治弁護士に、「トヨタ、その『強靭さ』を育んだ歴史」とのテーマで、コロナ禍においても未曽有の利益を上げているトヨタの強さの秘密を語っていただきました。 加藤弁護士は、トヨタでは働く一人ひとりが「強靭」であり、その強さの源は、「カイゼン」を軸とした考え方にあると言います。 トヨ

~同一労働同一賃金施行でパートの特別給与が増加~厚労省雇用環境・均等局長が見解|気ままに労働雑感

先日、厚生労働省の山田雅彦雇用環境・均等局長が就任に伴う記者会見を開き、働き方改革関連法の一つして昨年4月に施行されたパートタイム・有期雇用労働法への企業の対応状況について見解を示しましたので、紹介します。 パートタイム・有期雇用労働法施行により、同一労働同一賃金が昨年4月から大企業で適用され、今年4月からは中小企業でも施行されています。 現在の企業の取組みについて山田局長は、「働き方改革関連法が施行されるプロセスと、新型コロナウイルス感染症拡大のプロセスが重なり、ノイズ

パートナーシップ構築宣言企業の拡大に注目|気ままに労働雑感

サプライチェーン全体での共存・共栄や、下請取引の適正化に向けて取り組むことを企業が宣言・公表する「パートナーシップ構築宣言」の動きが加速しています。 同宣言は、サプライチェーン全体の共存と企業の規模・系列を越えた新たな連携のほか、働き方改革による下請企業へのしわ寄せ防止など下請中小企業振興法に基づく振興基準の遵守に取り組むことを表明するもので、昨年6月に創設されました。 政府は成長戦略2021において、宣言企業数の2000社到達をめざしています。 宣言企業数は、今年3月1

オンライン採用活動は内定(内々定)辞退防止が鍵|気ままに労働雑感

2022年春入社予定の大学生の内定解禁日となる10月1日、多くの企業で内定式が行われました。 新型コロナ感染症拡大の影響で、オンラインで開催するケースがめだっています。 22年卒業予定の新卒採用活動では、会社説明会や面接にウェブを活用する動きが強まりました。 (株)マイナビの「2022年卒企業採用活動調査」によると、個別企業セミナーをすべて対面で実施した企業が21.7%であるのに対し、すべてウェブで実施したのは34.3%に上ります。 21年卒採用活動の結果を尋ねた「2022

労働時間以外の業務負荷にも注意を~心臓・脳疾患労災認定基準改正|気ままに労働雑感

厚生労働省は9月14日、心臓・脳疾患の労災認定基準を20年ぶりに改正し、都道府県労働局長に通知しました。 改正後の基準では、長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化しました。 従来の基準において業務と発症との関連性が高いとされていた「発症前1カ月間に100時間超または2~6カ月間平均で月80時間超の時間外労働」を満たしていない場合であっても、これに近い時間外労働が行われ、労働時間以外の一定の負荷があった場合には、