待ちぼうけ ショートショート#25

今日は君をマンションの部屋で待つ。
いつもは君が先に帰ってきているのだが、今日は仕事が早めに終わったので家で料理を作って
待っていた。
玄関の外から階段を上る音が聞こえる。
足音が近づいてくる。
しかしその音は自分の部屋より少し前で止まり、隣の部屋から幸せそうな声が聞こえ始めた。
あまりに遅いので連絡を入れようとした。
だが、連絡先の中に君はいない。
「あぁ、そうか。君はすでにいなかったな。」
そのことを実感した僕は、冷え切った晩ごはん
を食べだした。
「君とならあったかいのにな。」

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