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2022J1第11節 浦和レッズvs横浜F・マリノス プレビュー ~Risk Elimination~
大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。
【プロローグ】
赤松:
青人、スペイン人監督ってどんなイメージ?
青人:
どうしたんすか突然、、こわっw
赤松:
いや。好きでしょ?スペインサッカー。
青人:
まあ僕はペップのサッカーが発端で戦術とかに興味持った人間ですからね。
赤松:
そうだったね。んで、どうなの?
青人:
スペイン人監督ですか?
やっぱり4-3-3でポゼッションスタイルですかね。美の追求ってイメージがあります。
赤松:
なるほどな。最近Jリーグにスペイン人監督が増えてるじゃん?
青人:
ロティーナとかリカルドとかアルベルとか、、たしかに増えてますよね。
赤松:
そうそう。彼らを見てもそう思う?
青人:
うーん、なんかロティーナだけ異質な感じがしますね。
でもリカルドとアルベルは「THE・スペイン」ってイメージです。
赤松:
なるほど。やっぱりロティーナは守備のイメージが強いから?
青人:
そうですね。あとの2人は攻撃的じゃないですか。
赤松:
おっけ了解。
青人:
おっけ了解ってなんすかw
赤松:
いいのいいの。
青人:
どうせ次が浦和戦だからそんなこと聞いてるんですよね?w
赤松:
バレたw
【最近の浦和レッズ】
青人:
はい、というわけで浦和との試合になりますね。
優勝候補に挙げる声も少なくなかったなかで、今季はまさかの苦戦を強いられてますよね。ここまで16位なんて誰が予想できたか、、
赤松:
つくづく難しいリーグだよほんとに。
青人:
ですよね。
単刀直入に聞きますけど、これはなんでなんすか?
赤松:
とにかく点が取れてないんだよな。
青人:
ほう、引き分けが多いのもそれですか?
赤松:
まあそうだね。12試合で12得点だから、単純計算だと1試合1.0点。その代わりに守備はかなり頑張ってて12試合で10失点。1試合1.0点以下なんだよ。
青人:
勝てない理由がかなり如実に出てるんですね。
ちょっと前にTwitterで面白いデータを見ましたよ。
えーっと、、これだ。見てください。
浦和のプレビューがてらFootball LABで遊んでたら、面白いデータを見つけた。
— ロッド (@_rod25) May 14, 2022
浦和レッズ
・攻撃回数:リーグ16位
・被攻撃回数:リーグ1位(リーグで最も攻撃を受けない)
守備的なチームのスタッツだよね。
赤松:
ほう、、攻撃回数のデータか。やっぱりそうだよなぁ。
青人:
浦和は攻撃回数がリーグで3番目に少なくて、逆に被攻撃回数がリーグで最も少ない。これ、2020シーズンのロティーナセレッソも同じ立ち位置らしいです。
あれ、、?
赤松:
ん?どうした?
青人:
リカルドって守備的な監督だったんですか、、?
さっきの話、、
赤松:
気づいたw
だからさっきの話をしたんだよ。まあそもそも守備的か攻撃的かって棲み分けはどうなのって思うけど。
青人:
でもデータを見る限り、近いサッカーなのかもです、、
赤松:
そうだね。リスクとの向き合い方の面でロティーナとリカルドは似た考えの持ち主だと思ってる。
青人:
というと、、?
赤松:
リスクって、サッカーでは必ず付きまとう問題だよね?
常にカウンターとかの脅威は念頭に置いておく必要があるじゃん?
青人:
たしかに。
赤松:
そのリスクを管理、いや、彼らの中では「排除」に近いんじゃないかと思う。
青人:
排除、、ってことは、リスクは冒さないってことですか?
赤松:
そう。相手からカウンターを受けるリスク、自分たちではどうにもならないような理不尽に試合を壊されるリスク、、
それらを引き起こさないためのサッカー。それが今の浦和だよ。
青人:
なんか考えていたのと全然違ってました。もっとポゼッションを高めて自分たちで主体的に試合を動かす攻撃的なサッカーなのかと。
赤松:
そのポゼッションも、大枠の思考性の部分で、リカルドのリスクとの向き合い方が如実に表れているんだよ。
で、少し具体的な話になるんだけど、今の浦和の。
青人:
はいはい。
赤松:
そもそもボールを持たされる試合が多いんだよね。
まあ自分たちから持ちに行ってるとこもあるけど。
青人:
なんか浦和のビルドアップってすごく綺麗ですよね?
赤松:
うん、すごく上手いと思う。全員が相手の守備ブロックの間に立ち位置取って、動きながらボールを出し入れして、ライン間を攻略する。
あと、度々思うのは、このチームってGKもCBもみんな蹴れるんだよね。
青人:
蹴れるってのは、パスが上手いってことですか?
赤松:
そうそう。ショートパスだけじゃなくてミドルもロングも。
全員縦パスの出し手になれる。
青人:
無敵ビルドアップ部隊ですねw
赤松:
まあそんな感じ。たぶんリカルドが「お前はこう動け」と明示的に指示して色んなパターンを仕込んでるんだと思う。昨季の就任当初からここの完成度は高いから。
青人:
なるほど。でも点が取れないですよね?
赤松:
そう、最近の浦和が抱える問題はその後。
ビルドアップからライン間の江坂にパスを預けてターン!
ってとこまではできる。そこから先に苦労してる。
青人:
いわゆる崩しの局面ですか。
赤松:
うん。基本的に彼らは「速く攻める」ことに主眼を置いてるから、江坂はタメを作って全体を押し上げるわけでもなく、迷いなく前へボールを運んで前線の3トップにボールを預けて速攻に入る。
いわゆる擬似カウンターみたいなもんだね。
青人:
なるほど。
赤松:
直近だと右のモーベルグ、左の関根、CFのシャルクが起用されてるんだけど、時間とスペースを与えられた状態での相手との対峙でなかなか決定機を作り出せない。
青人:
それはなんでですか?
赤松:
最後の打開の部分を個の力に委ねるところがあって、それが現状結果に結びついていないって感じかな。
特にモーベルグなんかは独特なリズムのドリブルで相手を抜き去ることもできる選手だし、個の力で打開しようと試みることは全然悪いことじゃないんだけど。
青人:
優秀な個で殴りたいって感じですか?
赤松:
まあそういうことw
なかなか前線3枚が有機的に絡んで崩すような感じではないんだけど、それをリカルドがどう捉えているかは正直わからない。本当はもっと工夫したいのか、今のままで良いと捉えているのか。
青人:
ただ、現状得点が取れてないってとこで、改善の余地はあるだろうってことですよね?
単純にもっと人数かけないんですか?
赤松:
そこがリスクの問題と繋がってくる。
もしボランチもサイドバックも攻撃参加したとして、そこでボールを奪われたら何が起きる?
青人:
あ、カウンターを喰らう、、リスクか。
なるほど、最初から攻撃参加はしないんですね?
赤松:
うん、まあそもそもビルドアップにかなり人数を割いているのも関係してるけど、最初から高い位置に人を多く配置しない。奪われても致命傷にならないように。
青人:
なるほど、リスクを排除するってのはそういうことですか。
赤松:
そう。もちろん押し込みフェーズに入ったときはサイドバックが高い位置を取ったりボランチが飛び出したりするけど、基本線は前線4枚で攻撃を完結させることにあるよ。
青人:
んで、現状それが結果に結びついていないと。
まあそもそも少ない人数で攻めて点を取り切るのは難しいことですよね?
赤松:
そうだね。例えば昨季の夏頃はキャスパー・ユンカーが動きを作りながら点も決めてたし、今のままで上手くいってたんだと思う。
青人:
あれはすごかったですよね、、ほんとに。
赤松:
だけど、おそらくユンカーのコンディションが良くなくて出場機会が減り、今はシャルクが出てるよねと。チームとして、というか前線のユニットとして彼をどう活かすかを擦り合わせてる段階なのかもな。ざっと見た感じ、特段のスピードや高さがあるわけではなく、ミドルシュートが上手い点取り屋ってイメージだけど。
青人:
現状だとユンカーが本調子じゃないのがかなり大きそうってことですね?
赤松:
そう。僕は全試合見てるわけじゃないからわからないけど、今季ユンカーが出てる時間帯は得点の匂いがぷんぷんしてるはず。だとすると今のままで良いのかって部分も含めて岐路に立たされてる感はあるよね。
【試合展開の予想】
青人:
すごく苦しんでるチームだということはわかりました。
今回の試合でマリノスはどうしますかね?
赤松:
焦点になるのは、どっちがボールを持つかってところとプレーエリア。
青人:
浦和は自分たちが保持することで、リスクを排除しつつ、点を取りに行きたいんじゃないんですか?
シャルクのフィットを早めたいだろうし、ここ最近の試合と同じことをしてくるかと。
赤松:
なるほど、ここ最近の文脈ならそうなるよね。
でも、個人的には逆だな。マリノスがボールを保持すると思ってる。
青人:
たしか昨季の試合もそんな感じでしたよね?
彼らは自陣深くにブロックを組んできました。
赤松:
そうだね。でもあれはリカルドからするとナシなんだと思う。あの試合と、あとは今季2月のスーパーカップの川崎戦後も、自陣深くに押し込まれた時間帯は「やらせすぎた」って旨のコメントをリカルドは出してる。
青人:
え、人数をかけて守ることがリスクを低減させることじゃないんですか?
赤松:
いや、人数だけじゃなくてエリアを考える必要があるよ。ボールが自陣にあるのと敵陣にあるの、どっちが点を取られるリスクが低いと言える?
青人:
そりゃ敵陣ですよ。自陣のゴールから遠い方が点は取られにくい。
赤松:
そうだね。だから、浦和としてはマリノス陣内にボールを置きたがるんじゃないかな。
彼らの理想の展開は、マリノスにボールを持たせて閉じ込めることのはず。
青人:
てことは、マリノスのビルドアップに対してハイプレスで来るってことですか?
赤松:
個人的にはそうやってくると思う。
ましてや前節・湘南戦でマリノスがビルドアップを引っ掛けられてショートカウンターをたくさん喰らっていたのを見てるよね。誰だってそこを突こうと思うでしょw
青人:
たしかに、、怖くなってきたw
大丈夫そうですか、、?
赤松:
マリノスはいつも通りよ。相手を押し込むためにまずはそのハイプレスを剥がす必要がありますと。んで、浦和がプレッシングで来ると仮定すると必然的にDFラインが浅くなるはずだから、そこは裏を突いていきたいよねと。
青人:
湘南戦とやることは同じなわけですね?
赤松:
そうそう、まさに。
その過程で相手をとにかく走らせることが大事。何度も局面をひっくり返して背走させて足を使わせる。
そして後半勝負に持ち込みたいかな。特に水沼宏太を投入するタイミングで、浦和を押し込めるようになっていたら、あとはどこかで仕留めたい。
青人:
浦和は前節にユンカーが途中から出てましたね。
そこから流れもかなり変わったように見えました。
赤松:
うん、浦和がユンカーをどう使うかでリカルドの腹づもりというか、プランが見えてくると思ってる。
青人:
なるほど、、前半の浦和と後半の横浜、キーマンはキャスパー・ユンカーと水沼宏太ってわけですね。
赤松:
そうね。だから前半はとにかく祈ろうw
ここは湘南戦からの進捗も測れる楽しみもあるし。
伊藤と柴戸のボールハントは強烈だからねぇぇ
青人:
パイセン、声が震えてますw
赤松:
やばいなw
まあでも勝ち筋はちゃんとある試合だし、90分トータルで最後に勝つ今のマリノスの強さを見せてほしいもんだね!
青人:
そうですね!勝ちましょう!!
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To Be Continued・・・