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2020J1第27節 横浜F・マリノスvs浦和レッズ@日産ス

まだ11月。早すぎるホーム最終戦。

結果は6-2で勝利。内容と結果が伴った素晴らしい試合でした。
今季の集大成として最高のゲームを選手たちは見せてくれました。


特に輝いたのは、他でもなくトップ下に入ったオナイウ阿道でした。今季は順風満帆とは言えないシーズンでしたが、トップ下という新境地で見違えるようにいきいきとプレーしていました。

では、なぜオナイウがこの試合は素晴らしい出来だったのか。

この疑問から両チームの狙いや課題が見えてくる部分もあるので、このような視点で試合を紐解いてみたいと思います。

構成としては以下の通りです。

⑴マリノス視点:JSとの関係性
⑵浦和視点:開かれたライン間
⑶まとめ・考察


では、始めます。


【Starting Lineup】

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■横浜F・マリノス
 ◇基本システムは4-2-1-3
 ◇前節からスタメン9人変更(オビ、實藤、伊藤、ティーラトン、扇原、オナイウ、水沼、サントス、前田)
 ◇前節から中2日
 ◇オナイウ阿道がトップ下に入る
■浦和レッズ
 ◇基本システムは4-4-2
 ◇前節からスタメン変更なし
 ◇前節から中10日


【マリノス視点:JSとの関係性】

この試合でオナイウが素晴らしかった理由、それは最前線のジュニオールサントスとの関係性や位置関係が絶妙だったことは挙げられるかと思います。

彼らは基本的に前後の関係でプレーしていたのですが、その前後関係を頻繁に入れ替えたりすることで相手DFを撹乱することができていたと思います。マルコスがトップ下を務める試合ではあまりこうしたポジションチェンジは起こらないので、オナイウがこのポジションに入っているからこそできた引き出しと言えます。

また単純なポジションチェンジだけでなく、サントスとオナイウが近い距離でプレーすることのメリットは非常に大きかったです。


例えば3点目のシーン。オナイウが高い位置を取ってサントスのサポートをすることによって、スムーズに前進することができていますよね。

オナイウは自分がCFとしてではなく、誰かが前にいる状況でそのサポートの働きをするのが非常に上手い選手であることがこの試合を通じてよくわかりました。

今後の彼の起用法を考えるうえでひとつのキーとなる試合だったのかなと思います。


【浦和視点:開かれたライン間】

次に、浦和視点でなぜオナイウが活きたのかを考えてみます。

結論から言うと「スペースがあったから」です。

というのも、浦和のDFラインと中盤の間に広大なスペースが広がっていました。これだけのスペースがあればオナイウが持っているクオリティを発揮するのに十分と言えます。

では、なぜスペースが空いてしまったのでしょうか。

それは、前からボールを奪いに行っていたにも関わらず、DFラインを上げることができなかったからです。前線は前へ、守備陣は高い位置を取らない。この状況であれば、中盤にスペースができるのは当然といえば当然です。

前からボールを奪いに行くのは浦和のスタイルですからここはとやかく言うべきところではないと思います。このやり方で直近の試合は負けていないわけですからね。

問題は「DFラインを上げることができなかった」部分かなと。

ここについては、人選の問題だと思っています。もし爆発的なスピードとカバーリング能力を誇るトーマス・デンがいたらもう少し強気のDFライン設定ができて、オナイウが前を向いて自由にボールを持つことはできなかったかもしれません。

あとこれは仮説の域を出ませんが、マリノスの前線にスピードのあるジュニオールサントスと前田大然がいたことは、浦和のDFラインを下げさせるのに一役買っていたかもしれません。特に前田大然にスペースを与えることを嫌ってDFラインを数m規模で下げていた可能性はあります。


【まとめ・考察】

論点をまとめると以下のようになります。

■オナイウが活躍した理由
 ◇マリノス視点
   ▼ジュニオールサントスとの良好な位置関係
    ・前後関係を入れ替える工夫
    ・近い距離感でプレーする
   ◇浦和視点
  ▼DF-MFのライン間に広大なスペース
   ・前から奪いに行く前線と深いラインを保つDFライン
    ⇒ 中盤にスペースができる

というわけで、全編オナイウ阿道でお送りしてみました。笑

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私自身、彼には非常に期待をしていますし、彼にしかできない芸があると思っています。

今季はなかなか思うような結果を出せなかったかもしれませんが、今回の試合で得た気づきや発見を来たるアジアの舞台で存分に発揮してくれることを願っています。まだまだ今季の本番はこれからですしね。


次戦は"あの"等々力で"あの"川崎です。非常に意味のある試合になることは間違いありません。

勝ってGOOD VIBES ONLYな状態でアジアの舞台に臨みたいところです。







11/14 Sat. 16:00K.O. J1第27節 横浜6-2浦和

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