スクランブルエッグ・ツリー
ハワイ島を旅行中に、自分の歳をひとつ重ねることに気づいたのは、エアラインのチケットを取った後のことだった。
それは、ジャカランダの季節のこと。
バースデーだから、と、一日ドライブに連れて行ってもらう。
花の下でTEXのハンバーガーを食べて
花の下で休憩。
太陽のあるうちはゆく先々で花を愛でて
どこここかまわず、気が向けば停まってシャッターを切る。
すきなだけ。
数分のことも
小一時間のことも。
「あの花はなんていう花なんだろう」
窓の外を眺めながら訊くともなく呟くと
「通称スクランブルエッグ・ツリー」
とだけ、教えてくれた。
言葉少なく、のんびりした一日。