自分の何もかもを突っ込む場所としてこのnote使おうと思ったけれど、過去日付が使えないのだよなぁ。どうしよ。
その年は、一度のハワイ滞在中、宿を転々とすることになった。 オアフでのイベントに参加して、そのあとホッとしたくて向かったHiloでは希望する宿は続けて取れなかったからだ。 それでもHiloの空はいつもと同じく静かに蒼く。 ローカルな空港に降り立つと、心が、凪ぐ。 初めて泊まった宿はHiloの街中にあった。 簡素で簡潔な宿で、宿主さんと顔を合わせなくてもチェックイン-チェックアウトが出来る宿だった。部屋にはシングルのベッドがあって、手紙の書けるちいさなデスクがあって。 ごく
「女子会ってものをしてみたい」 どちらかといえば「男前」というかんむりことばが似合いそうな3人の、誰からともなくそう、話が持ち上がった。 予定あわせて、どこかでご飯食べておしゃべりして。 女子会くらいちょっとスケジュール調整すれば出来るものだけど。 私たちの場合はそうはいかない。 一人はオアフ島、 一人はハワイ島、 そして私はジャパン。 それでも全員、なにごとも「やればなんとかなるんじゃない?」なタイプなので、話はあっという間に進んでゆく。 「Nae Nae Dance」
ハワイ島を旅行中に、自分の歳をひとつ重ねることに気づいたのは、エアラインのチケットを取った後のことだった。 それは、ジャカランダの季節のこと。 バースデーだから、と、一日ドライブに連れて行ってもらう。 花の下でTEXのハンバーガーを食べて 花の下で休憩。 太陽のあるうちはゆく先々で花を愛でて どこここかまわず、気が向けば停まってシャッターを切る。 すきなだけ。 数分のことも 小一時間のことも。 「あの花はなんていう花なんだろう」 窓の外を眺めながら訊くともなく呟くと
ハワイで一番訪れているのはハワイ島の東、Hiloの街。オアフより断然多い。日系人に対して優しい街、という印象があって、それも大きいのかもしれない。そして、そのHiloの街で一番訪れている場所と言ったら、ダントツでプアイナコのKTAスーパーマーケットだろう。 朝、出かけるときに寄って、水のペットボトルやその日のおやつなんかを買っていく。帰りにも寄って、その夜楽しむビールと、いろいろな種類の量り売りのポケを少し(たいていは一番小さなパックで)買って帰るのが私のいつもだ。 左側の
明日、庭でBBQやります、食べに来ませんか? ハワイに渡ってくる3日前に買い換えてきたばかりのiPhoneの着信音はまだ耳慣れず、鳴るたびにかすかにドキリとする日々だった。ホームのようなHilo(ハワイ島)から初めてのマウイに移動してきた初日、そんな耳慣れないメイルの着信音にiPhoneを開いてみると、簡潔なメッセージが着信していた。 私の一人旅は、全く予定を組まない。 土地についたときの感触、その日のお天気、そして一番大事な「気分」で行動を決める。だからこんな嬉しいお誘
ハワイのネイバーアイランドに滞在している時の決まりごと、みたいなのを自分の中にいくつか持っている。そのうちの一つは、夜は暗くならないうちに宿に戻る、というもの。 なにしろ夜は暗いし、お店は閉まってしまうし。 そしてなにより、ハワイでは早朝という時間が一番すばらしいから、必然、夜も早寝することになる。 ハワイ島でいつもお世話になる宿が大好きで大好きで。 帰る前の日は夕方くらいから、気持ちが沈む。 帰ってはきたものの、まだ残る外の明るさが名残惜しくて、玄関前のベンチにごろんと横
「絶対好みなお店だと思う!」 アラモアナで待ち合わせて合流した後、ハンドルを握るニッキが自信ありげにそう言いながら連れてきてくれたのは、Ke'eaumoku St. の「Asahi Grill」だった。 アサヒ・グリル!行きたかったんだ!と、思わず声が弾む。 オアフに着いたらまずはこれを食べないと始まらない、とか、 飲んだ翌日がことさら旨いんだよね、とか。 たくさんの「ハワイ通」が口々にそういうのを長年聞いてきた、アサヒ・グリルのオックステイル・スープは、わたしの中でもう、
「あなた一人?」 オアフ島からモロカイ島へのセキュリティゲートを通る時にチケットとパスポートをチェックする検査官の女性が、うっすらとした怪訝さを持って、そう訊いた。 私の旅はほとんど単独旅行である。 だから、セキュリティチェックなどのシーンで、怪訝そうにされたり緊張感が走ることは珍しくない。またか、くらいの気持ちでYes,と答える。 次の瞬間、検査官はまるっきり長年の友達のような表情と口調になった。 「モロカイよ?日本から?独りで?何しに?な・・・っんんんにも、ないわよ?
あまり作り込まれた作品ではなく、昔からあるナチュラルな素材に心のままにおおらかに生み出されたデザインに、ハワイらしさを感じることが多い。 本(※1)で見つけたガラス(窓)に描かれたハワイアン・モチーフが、長いことわたしの心を捉えていた。なんてすてきなんだろう。その想いが原型となって、サンドブラストで一個一個デザインをつけるロコズのグラスは、生まれた。(※2019年までで創るのを、終えました。ありがとうございました) 作品として形にした後も、そのもともとのガラス・アートを見
「ハナまであと半分」 その通りの場所に、その通りの名前の、小さな店があった。助かった。 ステイしているパイアからハナにドライブしてみよう、と、軽い気持ちで決めた。 ハワイ島よりぜんぜん小さな島マウイの、パイアからハナは、地図でパッと見る限りヒロからホノカアくらいの距離に見えるし、 なんなら今日はマウイ半周してしまおう、と。 それが甘かった、ということにうっすらと気づき始めたのは、ハナまでまだ道程三分の一ほどを過ぎたところからだった。 コストを抑えたレンタカーを借りた
「それはぜったい、行ったほうがいいよ。」 いつもは慎重な物言いをする大家さんが珍しくスパッ、と、そう言った。 「ワイピオの谷間のあそこで、夜を明かす、ってことが、大事なんだよ。星を見上げてさ。」 そうしてわたしは、当初お茶だけでも、との予定だった未だ会ったことのないナオミちゃんと、電気のないワイピオ渓谷で一夜、合宿することに心を決めた。 その日はキラウエアで朝陽の昇るのを拝んでからハイクして、お昼に一度戻ってベッドに滑り込み。1、2、3で眠りに落ちて一時間半ほどでア
Aloha, ROCOです。 1967年生まれ、1998年からハワイに関するグラフィックデザインをずーーとやってきました。 最近、趣味のボディビルばかりになってきて、 このままではわたしの中のハワイがどこかにいってしまうかも、と さすがに少し焦りを感じるようになって。 昔から、文章がとても好きでした。 半世紀以上永く生きてきて、生活の中にすてきなドラマをいちいち見つけるのも好き。 だから、文章を書いてみることにしました。 まずはやっぱりハワイが軸かな。 なにせ、今まで