ミュージカル『スリル・ミー』
#スリルミー 2019観劇はじめ。
成河さんと福士さんの #成福組 。
いやー、すごかった。
新納×万里生ペアよりも生々しく、
ねちっこい感じが倍増。
見れてよかったー!
開始2分前くらいから、会場がしんと静まり返り、おしゃべりもなくなりました。
じんわりじんわり客電が落ちて、
じんわりじんわり舞台上のランプと天窓に光が入る演出(たぶん)。
これから起きることへの誘い方が神妙で、かつ導入が丁寧な印象。
ほぼ素舞台。若干八百屋。
成河さんの私。
待ってたよの一言と満面の笑み。
若さと従順さを見せつける私。
翻弄されているようで、
翻弄していく私。
54歳と19歳を衣装も髪型も変えずに、声のトーンと猫背で、瞬時に行き来する!さすが!
なりふり構わない感じと、ねちっこさはBLとして完璧。
福士誠治さんの彼。
残忍な彼の奥底に、
耐えきれない家族への妬みがあり、
私の罠にかかった彼の哀れさも。
福士さんは歌は上手いし、
スタイルも素敵だし、
誰もが憧れる彼にぴったり。
成河さんとのバランスの悪さ(いい意味で)も、私と彼の関係を際立たせる
一度だけ、彼は私に「お前がいなきゃダメなんだ」と言い、終盤には何度もレイと名前を呼ぶ。
私は彼に「僕が必要なはず」と何度も言うが、彼の名前は一度も呼ばない。
ここにも罠が見え隠れ。
動機なき犯罪ではあるけど、
殺人でなくてもよかっただけで、
動機がはっきりわかったペアでした。
#朴勝哲 さんのピアノはいつ聴いても、演技をしているかのよう。
動きに寄り添って、
強弱に気持ちの高ぶりが乗っかって、
ピアノ1台とは思えない重厚感。
息をするのも惜しくなる緊迫感は、
ピアノの音が途絶える瞬間に、
ぐいっと深まる。
楽譜をめくる音まで、演技してた。
●感想→ 消化するまでに時間のかかる演劇を久しぶりに見た気がする。何が善で悪なのか。人を愛するということは何なのか。後からじんわりとひとつひとつの動きや台詞が思い返される。この物語は小さい劇場が似合う。稽古場公演とかで、無名の役者さんが演じるのも見てみたい。
私役: 成河 × 彼役: 福士誠治 脚本・音楽・歌詞:STEPHEN DOLGINOFF 翻訳・訳詞:松田直行 演出:栗山民也
●ストーリー 出演者はたった 2 人。 “私”と“彼”、そして1台のピアノ。難題に挑むのは、演劇界きっての若手実力派の俳優たち。シンプルであるがゆえに緊迫した空間。客席を圧倒するエネルギー。強烈な旋律の頂点に向かって走る100分間。 監獄の仮釈放審議委員会。
収監者“私”の五回目の仮釈審議が進行中である。
34年前、“私”と“彼”が犯した犯罪。
物語は、34年前に静かに遡っていく――。 19歳の“私”と“彼”。
ある契約書を交わした2人。
彼らに一体何が起きたのか。“私”と“彼”
衝撃の真実が明かされていくーー。