配線整理よりもはるかに大切な「飲み物のゴミで机を溢れさせない技術」 #desksetup
映えそうなデスクを作っただけでは生産性はおろか気分すらあがらない
こんにちは。「あと足りないのは才能だけか〜」な机で生活をしているRockyです。YouTubeやらなにやらに感化されてデスク天板を作って以来、少しハマって日夜試行錯誤をしていました。
一旦完成したのはこいつです。引っ越しをしたので同じやつはもういませんが、なんとなくYouTubeのサムネとかTwitterでよく見る感じのものを作ることができました。
「いい感じのデスクができたので毎日気分上がるぞ!気分があがったので生産性もあがるぞ?きっと!」とウキウキしていたのを覚えていますが、1週間もすると根本的な思い違いをしていることに気づきました。
僕が毎日見るのはこんな景色でした。いかに気合を入れて天板を作ろうが、ガジェットを揃えようが、配線整理をこだわろうが、貼ってはがせる壁紙を貼ろうが、照明を頑張ろうが、こうなってしまえば意味がありません。むしろ頑張って作っている分マイナスです。
世の中にあふれる良さげなデスク写真の8割はその一枚のために超気合をいれて整理整頓した状態なわけです。そんなものに意味はありません。毎日キレイな状態を保ってこそ、日々の気分も上がり、それによる多少の生産性の向上が望めるわけです。
そんなになる?
なります。いえ、画像はAIに作ってもらったものなので多分に誇張されており、流石にここまでにはなりませんが…そうですね、使用済みマグカップ/タンブラーが3,4個、ペットボトルや空き缶が9,10本くらいは割と簡単にいきます。
悪いことは分かっています。分かっていますが、椅子に座るときの「うわ、また置き忘れてる」と思うときの自分と、部屋からでるべく席をたつときの自分は別人なのです。キッチン付近で「あ…」と気付く自分も別人です。
これは同意頂ける方には同意頂ける類のお話です。同意できない真人間の方は「世の中にはこの手の人間が存在する」ということだけご認識ください。僕はこの課題を抱えていますが、妻にはまったく当てはまりません。
ちなみに妻の机はそこまで拘って作られたものではなく、配線処理もされていません。しかし「朝、どちらの机で作業がしたいか」と問われれば妻の机を選ぶでしょう。選べませんが。
解決策 :: 部屋のドアの近くに空のペットボトルやらタンブラーやらマグカップやらを置く場所を作る
ということでこの状況を解決しましょう。
これまで「強い気持ち!」など含めて色々試すものの一向に改善しなかった状況でしたが、「部屋のドアの近くに空のペットボトルやらタンブラーやらマグカップやらを置く場所」を作ったところ、みごとに解決しました。
運用は簡単です。
(前提 : 机に空のペットボトルを置き忘れている)
飲み物をもって机に向かい、座ります
「置き忘れている!!!」に気づいたら、座ることをキャンセルしてペットボトルをこの置き場所に置きます
部屋を出るときに置き場からゴミを回収します
これだけです。
これだけで理論上は机に残るゴミを抹消することができます。少し溜まったとしても、数日溜め込むということは確実になくなります。
これだけ?…と思ったあなたは真人間です。おめでとうございます。
それでは、こかからこのtipsがダメ人間に刺さる理由を説明しますので、同じ問題を抱えている人に是非教えてあげてください。
ポイント :: 課題に気づくタイミングと、解決行動を実行可能なタイミングとを一致させる
先ほど僕はいいました。
これが問題の根本です。おさらいしましょう。
Before
炭酸水のペットボトルを持って部屋に入ったあなたは、椅子に座るタイミングで以前に置き忘れたマグカップの存在に気づきます。あなたはこのときすぐに片付けることはできるでしょうか?答えはNOです。
椅子に座るということは何かの作業をしたいわけです。この状況で再び立ち上がり、部屋を出て空のマグカップをキッチンに置きにいくというのは少々面倒くさそうです。作業を終えて席を立つときに一緒にもっていったほうが手間が少なそうに思えます。
また、多くの場合は食器をキッチンに置いてくるだけではすみません。例え食洗機があったとしても、放置したカップは自分が洗わないと申し訳ない感じがします。結果「今ではなくて、作業終わったらマグカップをキッチンにもっていくかな」と思うわけです。
加えて、放置したゴミや食器が多ければ多いほど処理の時間がかかることにも注目すべきです。ペットボトルが10本も並んでいれば確実に「あとで」となるでしょう。
次に、再びこの問題に気づくタイミングについて考えましょう。
それはいつでしょうか?席を立つときでしょうか?いいえ、席を立つときのあなたの頭の中は「作業が一段落してホッとする気持ちとリビングに行って一息つきたいという欲求」しかありません。机など視界に入っていません。
故に置き忘れたことに気づくのは「作業を終えて席をたち、仕事場を出て階段を降りて(戸建てです)一階のキッチンが目に入った瞬間」です。
さて、今度こそ問題に気づいたわけですが、この瞬間、あなたは部屋に戻って食器やゴミを回収することができるでしょうか。いいえできません。作業や仕事が一段落したから部屋を出てここまで来たのです。階段を降りる時点で精神は完全にOFF状態になっています。この状態から階段をあがり、部屋に戻り、食器やゴミを持ち帰るには強靭な意思が必要です。そんな意思は持ち合わせていないので、結論は常に「次に降りてくるときに…」となるわけです。
そしてここでも放置したゴミや食器が多いほど問題が大きくなります。回収作業のコストが上がりますね。下手すれば複数回往復することになります。結果「次に降りるときについでに、少しずつ持ってくるか」などという実現不可能な幻想にすがることになるわけです。
After
それではこのTipsを導入した後、世界がどう変わるかを見てみましょう。
炭酸水のペットボトルを持って部屋に入ったあなたは、椅子に座るタイミングで以前に置き忘れたマグカップに気づきます。このときすぐに片付けることはできるでしょうか?答えはYESです。座る動作を直前でキャンセルし、部屋の入口の置き場に置くだけです。距離にして一歩です。
おそらくそのまま作業を始めるよりも少ないコストで行動ができるでしょう。置いてあるものを洗ってもらってしまい、申し訳無さを感じるというおそれもありません。
この瞬間、あたなの机に放置されていたペットボトルや使用済みの食器は机の上から消滅します。おめでとうございます。
さて、次に問題に気づくタイミング。それはいつでしょうか?
椅子から立ち上がる時?いいえそうではありません。気づくのは「部屋から出ようとドアに近づく際に、置き場が目に入ったその瞬間」です。席を立つ瞬間は机の上に注意を払いません。部屋から出るときにはドア付近に注意を払います。不思議ですね。気付けるのです。
ここで気づいたあなたは食器やゴミを処分するために部屋から持ち出すことができるのでしょうか。答えはYESです。あなたと食器の目的地/進行方向が一致しています。さっと手にとって階段を降りるだけです。
それだけではありません。部屋の出口付近にある食器に気づいたあなたはすぐに別の存在にも気づきます。そう、机に置き忘れている先ほど飲み干した炭酸水のペットボトルです。一瞬の手戻りは発生しますが、たったの一歩です。この一歩は【放置せずに食器をもって出ることに気づけたことの誇らしさ】を消費して踏み出してください。必ず回収できます。
まとめ
と、このように「部屋のドアの近くに空のペットボトルやらタンブラーやらマグカップやらを置く場所を作る」ことによって」「課題に気づくタイミングと、解決行動を実行可能なタイミングとを一致させる」ことができ、課題が解決する、というお話でした。
意志力の弱い人間には仕組みが必要です。
導入以後、問題は改善し、大量のペットボトルを抱えて階段を降りるさまを白い目でみられずにすんでいます。映えるデスクをつくるより前に、ゴミの置いていないデスクを維持するほうが大切なので、配線処理はそのあとにしましょう。
※このエントリーはエンジニア転職のLAPRAS と エンジニア採用のLAPRASを提供する、LAPRASのアドベントカレンダーの16日目のエントリーでした。会社のアドベントカレンダーですので真面目に会社の取り組みを紹介したかったのですが、1日目を担当いただいた @Chan_moro さんにすでに書いていただいており、バッチリ言語化いただいているので路線を変更した次第です。
その代わり…にはなりませんが、僕が今年一番当たった取り組みと感じている、毎日の生活を改善する、退職する人がいなくても実践することのできるTIPSを紹介させていただきました。