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退職代行は自分の選択肢が無くなった時の最終兵器として使うべき。
※まず先に退職代行や利用者を否定するつもりで書いておりませんのご理解ください。別の視点で見た時の記事を執筆しております。
まえがき
令和になってから本当に目まぐるしくありとあらゆる変化が訪れている。代行業というのは存在していたが、退職代行なんて出てくるとは思いもしなかった。
日に日に退職代行を使う件数が増えていると言うことは、それだけ求めている人が多いことなのは確かだ。
1社で月間約2000件(1日平均66件)依頼があるのは、尋常ではない。しかも件数を更新し続けているというのは、使う側としては待ってましたと言わんばかりのサービスなのは間違いない。
私はこの退職代行サービスは救世主でもあると考えているが、それと同時に使い手をも壊しかねない最終兵器とも考えている。
1. 気づかぬリスク
退職代行は、確かに便利なサービスだ。しかし、その利便性の裏には、見えにくいリスクが潜んでいる。例えば、「自分で退職を伝えられなかった」という経験が、自信の喪失につながることがある。本来、退職というのは働く人が自らの意思を伝え、キャリアの節目を自分の手で決めるものだ。
また、退職代行を利用することで、問題を解決する力を育む機会を失ってしまう可能性もある。人間関係の悪化や職場のストレスを理由に退職を決断するのは当然のことだが、直接対話を避けることで「困難に立ち向かう力」が養われず、今後のキャリアに影響を及ぼすかもしれない。
何より、「逃げるための退職」と「前向きな退職」はまったく違うという点を理解しておくべきだ。退職代行を選択する前に、自分が本当に納得できる形なのか、一度立ち止まって考えることが大切だ。
2. 乱用による人生への悪影響
退職代行は、まさに「最終手段」として機能するべきものだ。だが、その手軽さゆえに、乱用することで人生に悪影響を与える可能性がある。
例えば、一度「自分で辞める」というプロセスを経験しないまま退職を繰り返すと、仕事に対する責任感や忍耐力が薄れてしまうかもしれない。「嫌なら代行を使えばいい」という発想が習慣化すると、どんな環境でも問題を乗り越えずに辞めてしまい、結果としてキャリアが安定しなくなる恐れがある。
また、企業側からの視点でも、退職代行を利用する人が増えることで「すぐ辞めるかもしれない人材」と見られる可能性がある。転職時に前職への連絡が入った際、企業側が「退職代行を利用して辞めた」と知れば、それが採用の判断に影響を及ぼすことも考えられる。
退職代行は確かに便利だが、それに頼りすぎることが、自分の市場価値を下げる結果につながる可能性があることを忘れてはいけない。
3. 利用したその先にあるもの
退職代行を利用することで、一時的にストレスから解放されるのは間違いない。しかし、肝心なのは「その後」だ。
退職代行を使って辞めた後、自分は本当に前向きに次のステップへ進めるのか。退職の理由が単なる「職場環境への不満」だけだった場合、新しい職場でも同じ問題に直面する可能性は高い。なぜなら、根本的な解決をしないまま次に進んでも、環境が変わっただけで自分自身の課題は残ったままだからだ。
逆に、退職代行を利用したことで「やっと新しいスタートを切れた」と感じる場合、それは本当に転職するべきタイミングだったのかもしれない。大事なのは、代行を使うかどうかではなく、「なぜ辞めるのか」「辞めた後にどうしたいのか」をしっかり考えることだ。
どんな選択をしても、結局は「その後の行動」がすべてを決める。退職代行を使ったことが、自分の人生にプラスとなるような決断だったのかどうかは、未来の自分が証明することになる。
4. 代行はここぞという切り札
退職代行は、決して「悪」ではない。むしろ、どうしても自分の力だけでは解決できない状況にあるときの切り札として、非常に有効な手段になり得る。
例えば、パワハラやモラハラがひどく、職場にいることで精神的に追い詰められる状況にある場合。あるいは、退職を伝えようとしても上司が取り合わず、強引に引き止められている場合。このように、正常な手段では退職が難しいケースでは、退職代行が「逃げる」ではなく「正しく環境を変える」ための武器になる。
ただし、切り札は多用すればその価値が薄れるものだ。安易に使うのではなく、「本当に今、この手段を取るべきなのか」を見極めることが重要になる。
退職代行を使うのは最終手段であり、それを選択することで人生が好転することもある。ただし、使った後に自分の未来をどう築いていくかが何よりも大切だ。退職代行はあくまで手段の一つであり、それをどう活かすかは、自分次第なのだから。
あとがき
退職代行は良い方向に向かうこともあれば、悪い方向に向かうこともある。
精神的にも追い詰められ、疲弊し日常生活すらも困難になるくらいであれば間違いなく退職代行を使うべきだろう。
私も退職を伝える時、当時の上司は毎日周囲の人にも罵声を浴びせたり、暴言を吐くような人だった。
正直、退職を伝えるより話しかけるだけでも吐きそうになり、ただただ恐怖でたまらなかった。
結果的には、当時の上司には勇気を振り絞って自分の思いを話、退職の理由も伝えることができた。
結果的には退職より部署の異動で話はまとまった。(話が逸れるのでこの話はここまでとしよう)あの時恐怖に立ち向かいながらも面と向かって自分の気持ちを伝えられたことは心底良かったと思っている。そのおかげか、なぜかその上司とは他の誰よりも仲が良くなってしまった。
代行を使うのは間違いではないが、自分ができることを全てやり尽くした上で私はやはり転職代行を使うのが最善策だと思う。
転職代行を使うか悩んでいる人にこの記事が届くと幸いです。