開業の準備には時間をかけろ

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副業から本業になり30年間営業できてよかったです。自分で働く時間を決め通勤時間も片道10分、忙しいゴールデンウイークやお盆・年末年始はかき入れ時なので休日はお盆の後や成人式の後にしていました。特典は旅行代金がピーク時の3割減といったところでしょうか。

酒屋の2代目として忙しい中、移動販売で開業ができたのは準備に時間をかけていたんです。21歳の貧乏旅、3月のヨーロッパ旅行でパリの下町を歩いているときに美味しい匂いにつられ屋台のクレープを食べたんです。美味しかったその寒空にたこ焼きを食べたいと思い、いつか「たこ焼き屋」をしたいなーと漠然と思ったのです。

実現したのが10年後の移動販売でした。

妻の実家、神戸へ帰るときは明石の玉子焼きの食べ歩き大阪へ行けばミナミのたこ焼き屋さんの食べ歩きをしていまた。挙句には明石焼きの道具を購入して、時々プロの道具でたこ焼きを自宅で楽しんでいました。

関西人は各家庭に必ずあるといわれているタコ焼き器ですが、購入したのは本格的な銅板製の高級タコ焼き器です。(ちなみに私は尼崎育ち・千葉在住)

具体的な作り方として、母からアドバイスをもらいました。大阪生まれの母は昭和30年代兵庫県尼崎の下町で駄菓子屋を営み、冬季にはたこ焼きを炭で焼いていたんです。当時はタコがぜいたく品でしたので安いイカを仕入れてたこ焼きとして販売していたんですね。駄菓子にあきた中学生や高校生がたこ焼きをもとめていましました。(6個入・30円当時価格)

時々、明石焼きを楽しんでいたんですが移動販売を始めたのには訳がありました。いつも行く卸問屋で働いている元気なパートの田中さん(50歳前後)がダブルワークをするために始めたのがたこ焼き屋だったのです。

週三日、ご近所のスーパーの軒先で屋台営業しているとの事で早速見学にいきました。タコ焼き器は釣鐘式で関西風ではなくキャベツがたっぷりと入っているたこ焼きでした。その釣鐘式機械を27万円で購入して研修を受けたといっていました。さっそく購入して食べましたが美味しいとは思えませんでした。でも売れていたんですね...その後田中さんはパートをやめてたこ焼き屋として一人起業したんです。あのレベルでたこ焼きもどきが売れているのなら本格的な関西風たこ焼きは絶対売れると思ったのです。

自宅近くの大型スパーには店内、店外に計2店舗でたこ焼きを販売していましたが美味しくありません。夏のお祭りでの屋台ではタコは入っていません。ならばちゃんとした味を提供すれば売れるんじゃないかと予測したんです。田中さんは27万円で購入した機械は高すぎます。大阪の千日前の道具街では当時4連のタコ焼き器で3万円台で販売しているのを知っていたからです。

スーパーの軒先営業するためには、屋台道具が必要になります。屋台をどうするか? そこで思い出したのが以前図書館から借りた本に屋台のことが書かれたぺージがあることを思い出し、再読することにしました。

見つけました、そのページを。縁日に出店している露天商御用達の会社が紹介されていたので問い合わせをした後、1日かけて軽バンを走らせてたこ焼き屋台一式を購入したんです。その価格は前回紹介した13万5000円+プロパンガス5000円+消耗品10000円で合計150000円でした。

開業初日約50パック販売で完売! 翌々日の開業2日目も約70パック完売! リピーターが数組再購入していただいて、「とても美味しかったわよ」とのおほめの言葉を頂き、10年間抱いていた夢が実現し、手ごたえを感じた瞬間でもありした。


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