ANNA公開記念/リュック・ベッソン「アンジェラ」、そして「レオン」について...
公開延期になっていたリュック・ベッソン監督の映画「ANNA」が6月5日から公開されます。
正直「リュック・ベッソンの新作が楽しみ!」っていう人が今どれくらい存在しているのかわかりませんが、アラフィフ世代以上の方の中には、その名前を聞くと反応してしまう人も多いと思います。
リュック・ベッソンは最近ではどちらかというと、「TAXI」や「トランスポーター」などのヒットシリーズを手掛けたプロデューサーや脚本家のイメージが強いかもしれませんね。
特に脚本家としてのリュック・ベッソンは、最近めっきり評価が下がっている監督業よりも評価が高いのではないでしょうか。
面白い話を創作するという部分においては、優れたクリエイターだと思うので、「ノーリミット」なんかも手掛けてますが、完全にドラマにシフトした方が良いと思うのですが、、やっぱり、映画の方が儲かるのでしょうか?
私の好きなリュック・ベッソンの作品のひとつが「アンジェラ」です。
「フィフス・エレメント」以降のベッソンの作品では、ぶっちぎりで好きな作品ですね。
映像がモノクロってこともあり、ヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン・天使の詩」のコメディ版といった趣で、プロットも少し似ていますね。
ベッソンが監督してる作品ですが、「TAXI」や「トランスポーター」などプロデュース作品のトーンに近い感じがするのは、主人公アンドレを演じたジャメル・ドゥブーズの演技が影響してる気がします。
ベッソンの映画の主人公としては異色のキャラで、ごく普通の男、、というかダメ人間だった男をウブに演じてるところが良かったですね。
日本版にしたら濱田岳さんとかが演じそうなキャラです。
アンジェラの役はルックスから言って構想段階ではミラ・ジョボビッチが演じる予定だった気もしますが、ブライアン・デ・パルマ監督の「ファム・ファタール」にも出演していたリー・ラスムッセンが演じており、彼女の人間離れしたルックスが役にハマってましたね。
アンドレとアンジェラのキャラで成立してる作品だから、ベッソンの映画の中では一番、俳優の演技が重要になってくる作品ですが、この二人をキャスティングできた時点で、この作品が魅力的になることはイメージできたんじゃないでしょうか。
アクションシーンがほとんどないというリュック・ベッソンの映画としてはかなり異端な作品ですが、大人のおとぎ話のようなラブストーリーで、こういう映画撮れるのならもっと見たいなぁって思う、幸せ感を味わえる作品です。
リュック・ベッソンの映画が苦手な人に案外おすすめの映画です。
そしてやっぱりリュック・ベッソンといえば「レオン」ですね。
この映画、日本でかなり当たった記憶がありますが、今まで映画ファンだけのものだったリュック・ベッソンが、一般層にも少しは認知されるようになった作品です。
「ニキータ」で映画後半重要なところで登場したジャン・レノ演じる掃除人ヴィクトルを、監督本人がお気に入りのキャラクターだったこともあり、彼をレオンという新たな人物として再構築し制作された作品です。
リュック・ベッソンとしては珍しく同じ系統の作品が続いたのですが、それによってアクション演出に磨きがかかり、ラストの警察との対決のシーンなど、当時としては画期的なアクションがいくつか生まれていますし、現実離れしたランボーとは違って結構リアルな特殊部隊的戦闘描写になっていて、この手のアクション映画が一気に広がったきっかけにもなった映画だと思います。
はじめてアメリカ資本が入った映画ということで、ストーリー的にも今までより起承転結がはっきり描かれているのですが、アメリカ的アクションが爆発してる映画なのに、ヨーロッパ的な哀愁感ただようフィルムの感じなど、ヨーロッパ映画とアメリカ映画の良さがうまくブレンドされた奇跡の作品なんですよね。
このレオンをリュック・ベッソンのNo.1にあげる人は多いですし、リュック・ベッソン=アクションというイメージが本格的にスタートした作品です。
現代を代表する大女優ナタリー・ポートマンのデビュー作でもあり、「キッズムービーでデビューするのではなくアート作品から世に出たかった」と当時12・3歳の彼女はインタビューで語っているとこが、もう、、脱帽ですね。
普通の子供が言ったら全く説得力ないけど、この映画、ジャン・レノやゲイリー・オールドマンとともに彼女抜きにはなしえなかった作品ですし、十八番の泣き顔芸はこの時点でほぼ完成してますからね。
ジャン・レノとのコンビネーションもバッチリで、歴戦の俳優たちの中に入っても臆することなく堂々と演じてるように見えますよね。
またゲイリー・オールドマンという稀代の名優が覚醒した作品でもありますね。
もちろん「シド&ナンシー」の頃から注目されていた俳優ですが、この作品を境に彼の本格的な快進撃が始まりました。
クスリを飲んでハイになるシーンは当時サイコスリラーものが流行ってたこともあり、トリッピーな映像でこの映画の印象的なシーンの一つとなっていますね。
そして主演のジャン・レノです。最高です!
アクションやシリアスなシーンだけでなく彼の良さでもあるコメディっぽいところやヒューマンな部分も満載で、当時の彼の集大成的な演技になってますね。
リュックベッソンとは最初の短編映画からの付き合いで、満を辞してジャン・レノを主演にしたことで、カラダのサイズも含めて彼の良さを十二分に引き出した演出になってますね。
このレオンというキャラクターは映画史の1ページに名を刻むような魅力的なキャラなんじゃないでしょうか。
その他の作品も含め紹介しているYouTube動画「リュック・ベッソン トップテン」をつくってみましたので、興味のある方はご覧ください。
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ではまた次の記事でお会いしましょう。。
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