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モッズコートのつくりかた

こんにちは。






前回と前々回の2回で、
ANSNAMの中野靖氏 (以下、やすしくん) との出逢いについて書きました。


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思い返しても不思議な出逢い。笑
”大まかな話はしたけど、具体的には何を作るんだろう?” と思っていたところ、
やすしくんからメールが届きました。








”カスタムオーダー用のアイテムをお願いします。
  アイテムはモッズコート。
  フードは縫い付けでよろしく😉”








これだけ。笑






企画概要を簡単に説明すると、


”依頼に際しては、作るアイテム名だけをもらう。
  イメージや雰囲気の説明、写真などは一切ナシ”
                                      ↓
”僕は自由にデザインを考えて、仮縫い用の服を作る”
                                      ↓
”仮縫いを見ながら意見を出し合い、着地点を見つける”
                                      ↓
”必要な修正をして、マスターパターン納品”





一般的な服作りとは、遠くかけ離れたやり方。
だからこそ、面白みがあるのだけれど、これって







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大喜利だよねwww








”お任せします”と言われてナンボ(?)のパタンナー業。
お望み通り、好きにやるとしましょうか💪








ではまず、デザインするにあたって考えるべきことは





”モッズコートってなぁに?” ということ。





定義は人それぞれ、かもしれませんね。
M51しか認めない、という方もいれば、
M48もM65もモッズコートでしょ、という方もいるのではないでしょうか。




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この方のはM51





ただ、今回のデザインに際して考えるべきは、
細かい定義づけではなく、




人は何をもって ”モッズコート” と判断するのか?




という ”共通認識” のようなものではないか、と思いました。








そう考えた上で、”モッズコート” たり得る条件を挙げてみると


・後ろ中心の裾にあるスリット、通称フィッシュテール
・ウエスト位置にあるドローストリング
・斜めに傾いた、前身頃のフラップ付きポケット
・大きめのフード


この4点に絞られるのではないか、と思います。
(異論などあれば、コメントでお願いします。🙇)








さて、ではこれらの条件を盛り込んだ上でどうデザインするのか?
どういう雰囲気のものにするのか?




脳裏に浮かんだイメージと言葉は、



バッサリと羽織るマントのような雰囲気でありながら、
もたつきのない、スマートな佇まい


決して、突拍子もないデザインではないけれど、
今までに見たことのないもの





この時点ではまだ、朧げな輪郭線のようなものですが、
ここでパタンナーとしての経験値が活きてきます。





それが、構造的観点からのアプローチです。




具体的に言うと、



”脇縫い目のある、前後身頃1枚ずつの構造は、このイメージの具現化に適していない。
  胸周りの量感を実現するには〜(以下略) ”



というようなもので、
”構造で表現出来ること” を把握してるからこそのアプローチです。

ここが一般的なファッションデザイナーさんとの違いでしょうか。





具体的な構造線が決まれば、後は形にするだけ。





結果的に、世間一般のモッズコートとは違った構造になり、
出来上がったのがこちら。







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ANSNAM Modeliste Mods Coat






かなり省略してはいますが、
このようなプロセスで、デザインをしています。






2017年12月に行った初めてのオーダー会以降、
ありがたいことに、たくさんの注文を頂いています。





様々な反響の中でも、とりわけ嬉しかったのが、


”持った時の重さが、着ると消えてしまった”


というものです。




洋服の重量が、首、肩などにきちんと分散されて乗ると、
重さを感じず、疲れにくいのです。

それが実利的な機能として、説明なしで伝わったことは、
”パタンナー” という技術者として非常に嬉しいものでした。

そして "価値" を理解して頂いた喜びもひとしおでした。





2020年の今季も、オーダー会を予定していますので、
実際に体験してみたい方がいらっしゃいましたら、
こちらまでお問い合わせくださいませ。





読んでいただき、ありがとうございます。





TS






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TS
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