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コンサルタントのつぶやき#10~新たな領域拡大に向けて②(250203)

今日の写真は、鹿児島でいただいた焼酎です(原酒!)。美味しくいただきました。

私がコンサルタントになって、いくつかの特徴的なテーマに携わってきました。どのような取り組みをしてきたか、どのような気づきがあったかを少しまとめてみたいと思います。
① 大手製造業向けに、他社より早く、いい商品を市場に出すための開発プロセス革新支援
これはフロントローディング、コンカレント・エンジニアリングという手法、考え方を活用し、開発後半、量産段階での手戻りを無くし、かつ試作回数を減らすような商品・技術開発のプロセス改善を支援することです。様々なお客様と仕事をしてきましたが、半導体開発、精密機器開発、家電開発、通信機器開発、自動車部品開発、音響機器開発等において、過去トラブル情報の効果的活用、変化点からの課題・リスク抽出、特徴的な機能のマーケティンク検討を様々な部門の方々と行い、先行的に施策展開に取り組みました。このような支援するための事前準備・分析、新プロセス検討、組織ミッション革新の提案、プロジェクト・マネジメントのファシリテーション等など。これらの支援を通じて自身の業界認知、分析スキル、ファシリテーションスキルが磨かれたと思います。
技術ロードマップ構築支援
① のテーマの支援を多数行いつつ、全てのプロジェクトを効果的に成功させるには、技術ロードマップによる全体戦略と推進、そのための体制作り、人材育成が必要と感じ、大学院に通い直したのは前述しました。そのおかげで自身の方向性の正しさも確認し、かつアメリカの先進事例の聴講が大変役立ちました。また多数のお客様と技術ロードマップ構築に向けた議論、技術ロードマップがあってもなかなか思い通りに行かない理由などを議論し、現在の自身の技術ロードマップ構築支援のスキルアップにつながりました。現在は地方創生等、様々な場面でも役立っています。大学の研究所発新規ビジネステーマのメンタリングも実施していますが、そのときにも3C(Customer/Competitor/Compzny)要素を縦軸に取り入れたり、想定競合の動向、ビジネス化・量産に向けたストーリーづくり、ビジネススキルを持った人材の育成を同時に検討するなどの場面でも活用しています。
ISO9001認証取得支援
こちらは前職の先輩と作成したISO9001の品質マニュアル、規定類のテンプレートを顧客に提示しながら、新・現業務プロセスの整備、業務分掌のあり方とKPI、是正・予防の仕組み作り、使えるスキルマップ構築等を議論しながら、品質マネジメントシステム構築を支援していく。こちらは新卒である私にとって、会社、工場全体の業務を知ることにもつながり、また内部監査等を通じてファシリテーション、コーチング力の強化にもつながりました。
グローバル企業のR&D戦略支援
日系、外資系ともお仕事をさせていただいていますが、R&D拠点、工場を世界中に持ち、工場近くのマーケットを攻める企業支援を通じ、中央研究所の役割、拠点間R&Dの コラボレーション、ナレッジ・マネジメントや生産技術のフロントローディング、各拠点の得意技・文化の違いを認める、活用すること、それらを包括したプロジェクト・マネジメント、ナレッジ・マネジメントのあり方について、大いに考えさせられました。
グローバル・ローカル中堅企業支援
タイやミャンマーのローカル企業とも様々なお仕事をご一緒させていただきました。今でもFacebook/Messenger、LINE等で連絡が良く来ます。ありがたいことです。日本のやり方が全て正しいわけでは無い、その国の文化を認めつつ、合理的なやり方を徹底的に議論する。そもそも語学が得意でない私が、ホワイトボードに英語を殴り書きしながら、必要に応じて通訳さんも介しながら、どこまで理解していただけたかを確認しながら、支援を続けました。現地の食を一緒に食べながら、時にはお腹を壊しながら、郷に入っては郷に従えと。子どもの頃から学校で学んできたことも異なる、欧米のMBAに行っているメンバーもいる多様性の中で、自身の価値を提供するためには、改めて現場力が必要だと感じました。
設計・製造品質改善支援、品質管理研修
最初に入った大学は経営工学科でした。もともと医者になりたかったがかなわず、化学で入れる工学部ということで、経営工学科に入ったことも前述しました。入ってみて授業が面白かったのは良かったですし、仕事に直結していることもありがたいことです。今でも品質管理の最初の授業で、サンプリングというのはこの袋からおはじきをおもむろに取ることであると教わりました。なぜおもむろが必要等、当時教えていただいたことを設計や工場の現場に行き、また自分で動いてみて、再度、就職してから多数の品質管理の書籍を読み直し、あの頃先生が言いたかったことはこういうことなんだということに多数気がつきました。最初から恣意を持ってデータを取ってはいけないとか。
現在、設計品質や製造品質の教育も多数手掛けておりますが、その頃の気づきを伝えられたらと思っています。
DX研修
ここ数年、DXに関する研修を多数実施させていただいております。
デジタル技術を伝える前に、
・我々は少子高齢化をふまえて、生産性を向上させないと生きていけない
・改善し続けないと売上も利益も減るだけ
・まず業務プロセスを可視化し、関連プロセスもふまえて、革新構想を検討すること
の必要性を理解していただくことからスタートしている。
しかし、今までの仕事のやり方を変えるのは面倒くさい、仕事を改善したところで給料が上がらない、60歳も近いから今更改善したくない、会社全体で取り組まないならやりたくない等という反対意見によく出会います。まずこのあたりの意識改革を丁寧に議論します。また、顧客を知る、顧客の潜在ニーズを知ることの必要性、そのためにはデザイン志向的なアプローチも大切にしています。その上でのデータ分析です。今まで、あ・うんで実施していた仕事もデータを取って冷静に眺めてみると、改めて気づくことがあります。また慣習に則り、惰性で実施していた仕事も見えてくることもあります。このあたりをお客様と議論します。
議論には生成AIも役立ちます。Chat GPTにも同席いただき、意見をいただくことで気づきも生まれます。
DX研修は民間の様々な業種、大企業、中小企業だけでなく、自治体や官庁、また役員から担当者、技術、製造、総務部門まで支援させていただいているので、様々な視点での革新、改善を議論させていただいております。
そのよう意味でこちらの準備も大切ですし、勉強になります。
ODM/EMSマネジメント支援
周期的にやってくる仕事も有ります。
例えば、ODM/EMSマネジメントがその典型的な例です。
ODMはOriginal Design Manufacturerの略であり、いわゆる設計委託です。
EMSはElectric Manufacturing Serviceの略であり、いわゆる(電機系の)製造委託サービスです。
Appleはシャープを買収した台湾のFoxconn/Hon-haiという企業に、一部の設計委託と製造委託をしています。Foxconn/Hon-haiは世界一のODM/EMS企業であり、韓国のサムスン、LG電子、中国のHuawei、BYD等を除く、ほぼ世界中の大手家電企業からの設計委託、製造委託を請け負っています。世界中の企業と取引があるため、大量の部品やモジュールを購入するため、圧倒的な購買力と技術力を持っています。
10~15年前、日本企業はPCや家電の販売商品機種数を増やすために、Foxconn/Hon-haiを始めとする台湾・中国系ODM/EMSに大量の発注をしました。その際に、どのODM/EMSと組めば良いか、投資対効果のメリットはあるか、どのようなマネジメントをすればよいかといったことを、時には中国の深圳に同行して支援しました。
昨年からまた、ODM/EMSマネジメントの支援テーマが出てきました。しかし、今回は目的が大きく異なります。日本は設計者、製造担当者が少子高齢化でリソース不足のため、海外のODM/EMSに仕事を委託するとか、海外向け商品を日本で製造していたら物流コストがかかるが、海外工場は保有していない、または撤退してしまったため、現地EMSを活用したいというものです。台湾、中国だけで無く、東南アジアのODM/EMSの検討も増えてきました。10~15年前は電機メーカー中心でしたが、最近は様々な業種から相談が増えてきました。化学系の企業もです。また製造だけで無く、サービス委託とその品質保証についても相談がくるようになりました。

新たなコンサルティング、研修テーマが増えることは楽しいものです。そのために新しい勉強が出来ることが、この仕事をしていて楽しいところです。
時々、もう少し愛犬ともっと遊びたいとか、趣味のバンドに力を入れたいとも思いますが・・・(笑)。

(続く)

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