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八つの顔と六つの臂本当にあった

こんなことを正直に言ってしまうのはどうなのかと思う部分もあるけれど、今までの練りに練ったアルバムがかっこよくて枚数を重ねるごとに深みも増してきて期待がどんどん高まっていたからか今回のアルバム詳細を見て、確かに自身の一年がまるごと詰まっているようでおもしろいし興味はあるけれど、どのような一枚になるのだろうと率直に思った。

SKY-HIのことだから誰も思いつかないような何かを与えてくれるかもしれないと思いつつ、どこか今までのアルバムを懐かしんでいるような自分もいたような気がする。

とは言っても今述べてきたことは単なる個人的な八面六臂に対する第一印象であって、そのような気持ちはインタビューを通して何かを与えてくれるかもしれないという期待となった。

そして迎えたフラゲ日。
1曲目から12曲目まで通して聴いた。
自身にとって激動であった、それでもその分得たものも大きかった一年。
その点と点が線になって一枚になった八面六臂。

”怖くても進め”というワードとともに始まった冒険。
最初は独りで、時に自分の奥底の感情が露わになることもある。
逃げ場も救いもない。
そこに、頑張らないのもたまには悪くないでしょうと差し伸べられた手。
何者にでもなれる。一人で抱え込みすぎないでよ。
大切な盟友、同志と出会えて、救われて拓けてきた未来。
愛する音楽を携えてどこまでもまだまだ照らし続けられる。進むことができる。
”怖くても独りじゃないから”。

SKY-HI自身がベストアルバムを出せたことで一度自由なアルバムを作ってみたいと言っていたことを覚えている。

八面六臂は言葉の通り自由なアルバムだ。

でもSKY-HI自身の一年を今までの葛藤が詰まったコンセプチュアルな、ドキュメンタリー要素満載の一枚である。

歌詞からも重々に伝わることだが、それを一緒に歌うことでドキュメンタリーを創り上げる一員となっている盟友、同志、仲間もそこに重要な彩りをもたらしていると考えた。
もしかしたら12曲全てをSKY-HIが歌っているとしてもドキュメンタリーのような一枚でしたと言うかもしれない。
だがそれぞれが意味の深いコラボをしているから本人にもリスナーにも芽生える素直な感情があるように思う。

八面六臂を完成させるのに必要なピースのような。

これはおそらくやたらコラボをするわけではなく何かコラボすることに意味があるアーティストだから(リスナー目線でもそれぞれのコラボに対する思い出のようなものは浮かんでくるぐらい)説得力を持つ。

「BMSG」、第一弾アーティストNovel Core、自分がやらなければいけないと立ち上げたボーイズブループオーディション「THE FIRST」そこから選出されたもう間もなく羽ばたこうとしている「BE;FIRST」、そして「BMSG」で成長していくことを決意したトレーニー。

発起人であるSKY-HIが「BMSG」に関わろうとしている一人一人にリスペクトを持って接していることがわかる。
だからこそ、今回のアルバムで「BMSG」所属アーティストとの曲に対して馴れ合いとか贔屓ではなくて八面六臂のピースを完成させるために必要なアーティストであったからコラボしたという確信もアルバムを聴いたことで得られた。

また、八面六臂のおかげで初めて本当の意味で「BMSG」良いなと思った。

誤解を恐れずに言えば、決して今まで良いと思ったことがないわけではなくてSKY-HIの社長、プロデューサーとしての姿勢はすごく面白いし随所にらしさが出ていてそれこそ良いなと思っていたのだが、想いが詰まった、SKY-HI自身の軌跡を楽曲に落とし込んだ八面六臂聴いたら心から「BMSG」の在り方を自慢したくなった。

リリース当日のスッキリでスペシャルパフォーマンスを見て感じたことだが、私は「BMSG」の軌跡を楽曲で見たかったのかもしれないなと思った。
言葉だけではなく行動でもしっかりと意志を示してくれているにもかかわらず厚かましい話ではあるが、アーティストとして今までの軌跡を楽曲で受け取りたいとどこかで考えていたのだろう。

不思議なことに前述したようにスッキリを見るまでは楽曲で受け取りたいまで考えていなかったし収録曲発表時も『ついにきた!』という感覚にまではなっていなかった。

何より思うことは、SKY-HI自身が立ち上げて良かったと思っていること、立ち上げたことによる激動でさえも楽しんでいること、そしてアーティストとしてもとことん吸収していること。
良かったなぁ。

2021になって通常通りにまた会えるようになって、社長業(プロデューサー業)が多忙すぎるがアーティストとしての彼はどんな感じで来るのだろうかなんて直接会える日には考えてた。

ライブが終わってから自分はただただ無用なことを考えていたなと思った。

どれだけ取り巻く環境が変わろうとSKY-HI自身は何も変わっていなかった。
むしろより懐大きくなった?と思ってしまうぐらい。

一旦スイッチが入ったら止まらなさそうなので、とことん迫って進み続けてほしい。
たまにはme timeでもしながら。

”俺をジャンル分けすることがそもそも間違い” 

今このタイミングがまさにぴったりであったのだと思う。

回顧録ではなくてリアルタイムドキュメンタリー。

結局のところ、音楽への愛に溢れたSKY-HIが好きなんだという着地点。








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