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Patto, Boxer, Nektar

Patto - Patto (1970)

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 アートワークが秀逸だった70年代のアルバムジャケットは中身の音を想像する楽しみを与えてくれる。だから今でも70年代のロックをジャケットで目にする時はワクワクする。

 これも大顔面ジャケットだったか。どことなく黄色に落書きみたいに木霊が取り憑いている感じで見てたから顔と言う認識がなかった。しかも右上には水戸黄門の印籠のようにぐるぐるマークが付いているし。

 アルバムリリースは1970年、Pattoのデビュー作品でもあるが、最初からこんなジャケットで出てくるセンス。多分70年当時には全然売れなかったと思うがPatto自体は三枚のアルバムを残しているので、もしかしたらそれなりに需要のあったバンドかもしれない。多分今の方が人気あると思う。

 そんなキテレツなジャケットに包まれたPattoのファーストアルバム「Patto」。大体バンドのアルバムは1曲目に自信作を持ってくる。デビューアルバムならそれこそがバンドの挨拶代わりの一曲だから。そこにこのPattoはえらくねっちょりとした曲を持ってきて、これがバンドの代名詞か?みたいな曲です。ところが挨拶代わりの「The Man」を聴いて、そのまま聴き進めると今度はもうちょっとねちっこいのが始まって、ヤケにギターの粘着性と歌のしつこさがハマる。特に自分はギター好きなのでこの粘着性はツボにハマりました。それで3曲目、4曲目と進むともうオリー・ハルソールのギターの虜です。カッコ良く書けばヤードバーズ後期のジミー・ペイジのような荒削りなギタープレイ。言うならば70年初頭の英国ブルースロック界にゴマンと表れた粘着性ハードロックブルースギタープレイの代表的な事例。そんなA面をネバネバに聴いて気にならない人はもう絶対こういう世界は受け入れられないと思う。好きな人はこの隠れたバンドPattoを追い求める。

 音世界はブルースロックとソウルフルなパトゥの歌が基本だけど、かなりラフでラウドなバンド。ヴァーティゴじゃなきゃいけない音でもないけど、このラフさはやはりヴァーティゴ。この後、もうちょっと洗練されてセカンドアルバム「Hold Your Fire」がリリースされるけど、セールス面では全然失敗に終わってしまう。自分みたいな後追いの英国ロックファンは必ず好きなバンドとして挙げられる、今は割と人気あるバンドです。

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