Yes & solos: R.Wakeman, S.Howe, C.Squire
Yes - Yes (1969)
プログレッシグバンドの雄として名高いYesのファーストアルバム1969年リリース「Yes」。アトランティックからのデビュー作でツェッペリンばりに期待のリリースもその中身からまるでお話しにならなかった曰く付き。イエス史の中でもほぼ黙殺されているが、プログレを確立してからのイエスよりもチャレンジしている若気の至りがこの頃の英国ロックの単なるひとつのバンドでしかない面があって楽しめる。この時期のB級ロックバンドと比較してもやろうとしている事、やってる事は大差なくごった煮への挑戦でしかない。即ちこの時点で他のバンドとの着眼点の差はほぼ無かった音楽。ただ、個々人の力量やセンス、音楽的なバックグラウンドは全然違っただろうし、出て来る音の自己主張さも力強くて確かな手応えでのサウンドが出て来てるから、そこはアトランティックレベルがメジャー契約するだけのバンドのレベル。
中味はアート・ロックとサイケロックの間で、コーラスワークやベースラインの出しゃばり感はイエス特有のものが既に出てきているが、ピーター・バンクスの器用なギタープレイ、ジャジーでもありアコースティックでもあり、サイケデリックもやります的なトコロが上手く彩りを与えている。骨太なリズム隊との融合が繊細に出来上がっているのか、そこにトニー・ケイの鍵盤の彩りも加わり、恒例のジョン・アンダーソンの高い声がフワフワ感を出して、あのコーラスが被ってくる不思議さ。後のイエスを彷彿とさせる部分は多いものの、もっと英国特有のメルヘンさが出てるので楽しめる。後のイエスと比較しないで初期英国ロックの一つのバンドとして聴くとそのハイレベルなセンスの素晴らしさを実感できる。
好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪