Muddy Waters & Howlin' Wolf
Muddy Waters - The Best of Muddy Waters (1958)
ロバート・ジョンソンが酒場でブルースを奏でている様子をエルモア・ジェームズと共に食い入るように見つめていたもうひとりの男、マディ・ウォーターズ。ハウリン・ウルフと共にロック界に於いてはよく語られるブルースの偉人として名高いが、この人も実は戦前ブルースマンの一人だが、シーンに名を馳せてきたのは1948年の「I Can't Be Satisfied」のヒットから。以降シカゴブルースがシーンを制覇する時代がしばらく続く。
更に有名人となったのはストーンズからのラブコールによるもの。何処の名盤コレクションにもジャケットが登場する「The Best Of Muddy Waters」は正にベスト・ブルースと呼ぶに相応しい曲がいっぱい入っていて、入門編の一枚で自分もよく聴いた。好き嫌いが判断できる前にとにかく聴いた。子供の頃に聴くけど、これを理解出来なければロックは分からない風潮があって、理解出来るまで聴いた。おかげでストーンズがカバーしている曲は下手したらコッチの方が先に聴いてた。普通ストーンズ聴いてから原曲聴くけど。しかしどの曲も誰かがカバーしててその偉大さがよく分かる。
淡々と歌ってサラリとギターを鳴らしてるだけなのに深い。一生懸命コピーしてるイギリス人はそのダサさが良いけど、ホンモノはサラリと軽くブルースをこなしてる。1980年頃にストーンズとマディが一緒のステージで共演するビデオがあるけど、ストーンズの面々は単なるファン。ミックも凄いけど、マディが一声唸るとそれが全て。ポール・ロジャースもこの人をカバーしたアルバムをリリースしているし、その世代への影響力は凄い。
ちなみに個人的にはちょっとモダンすぎて、戦前ブルースのアクの強さからすると物足りなくて、ポップス気味に聴いてしまうし、ギターをコピーしようとは思わない。曲の骨格を掴むのはあるけどフレーズ単位はあまりない。ブルース歌手だからかもしれない。最近はデジタルリマスター+8が出ている。
好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪