見出し画像

Def Leppard & Tank

Def Leppard - On Through the Night (1980)

画像1

 NWOBHM出身ではない、と言い張るデフ・レパードの意地はともかく、アイアン・メイデンよりも更に違う形で世界を制したバンド。ほとんど通ってないバンドで、英国のバンドとすら思わなかった。それでも青臭い時代のデフレパはきっと違ったと信じてファーストアルバム「オン・スルー・ザ・ナイト」。

 1980年リリースの、正にNWOBHM全盛期に出てきたアルバム。デフレパもメンバーチェンジがいくつか発生するので、このラインナップはとりあえずシーンに出てきただけで、音世界が後の世界を制するバンドと違って、ナチュラルなハードロック。コーラスワークもしっかりしてて、キャッチーなメロディライン。最初からアメリカ進出を意識していたよりも、アメリカに受ける要素を持ち合わせていた当時まだ全員10代だった若者達による傑作。

 シンプルな曲構成とキャッチーなメロディ、心地良いほどに流れる旋律のハードロック。ただ、所々光るセンスが聞こえて、作品のレベルはかなり高いものに仕上がっている。多分細かいところが凝っていたり拘ってるからだと思うし、演奏がしっかりしている面も大きい。10代でコレは凄い。

 今のデフレパはこのアルバムからの楽曲を演奏してないが、大きく方向性も違うし、そもそもフィル・コリンいないか。それでも埋もれさせるには勿体なく、ちょっとアメリカ寄り過ぎて素直に受け止められないものの、じっくり聴くと英国らしさがある。地味なアルバムジャケットが不思議で、後にヒプノシス作品を連発するバンドのファーストとは思えないセンス。

ここから先は

10,201字 / 11画像
この記事のみ ¥ 100

好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪