Faces #2 :Solo works: Ronnie Lane & Ron Wood
Ronnie Lane - Anymore for Anymore (1974)
ロニー・レインがフェイセスを離脱した背景にはロッドとロンによる酔いどれR&Rバンドの傾向が強くなりすぎて自分の求める音楽像からかけ離れてしまった点がある。ロッドの作品を聴いているとロニー・レインが参加しててもおかしくないと思うけど、派手なショウマンシップな世界を好まなかったのかもしれない。フェイセスの中ではちょっとインテリジェンスな雰囲気を出していたから。そんな事で人気絶頂だった1973年頃にフェイセスから離脱。即座に自分のやりたかったアメリカンスワンプ、パブサウンド的に着手。その傾向はフェイセスの「Ooh La La」で顕著に表れているので分かりやすいけど、もっと推し進めた自身の趣味の世界といったところか。
1974年にリリースされた名作「Anymore for Anymore」でロニー・レインがやりたかった自分の世界をアピール。なるほど、ここまでアメリカスワンプな世界にどっぷりと浸かりたかったのか、ってくらいにパッと聴いているとアメリカなサウンド。ちょっと知ってる人だと英国人が奏でるアメリカスワンプへの情景に気づくだろう。それは英国のパブロックにも通じる話だけど自分的にはスワンプですね。驚くことに英国的な人脈の繋がりがあって、バンドの名はスリムチャンスだが、その面々にはギャラガー&ライルの参加、またBlossom Toes…英国の60年代末期に出てきたサイケデリックロックバンドのメンツも参加してて、同時代のバンドの連中だからSmall Faces時代からの知り合いだろうな、とどこか黄昏てしまう。そんな音楽な理由もあるが。
「Anymore for Anymore」はホントにリラックスしまくり。ロックの世界で聴くものではなく音楽としてリラックスして聴くもので力の抜けた作品。一時期のクラプトンも似たようなトコロあるけど、ロニー・レインも色々と疲れたのかな。単にこういうのがやってみたかっただけかもしれないが。秋のウチに何度も聴くとかなりの名盤なんだとも分かってくるよう作品。自分ではそんなに熱心に聴かないけどハマる時にはハマる、そんなアルバム。ロニー・レインのソロになってからの作品は大体そういう音だ。
好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪