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European 嬢 Metal

All Ends - All Ends (2007) : Swedish

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 スウェーデン出身の女性ボーカルを二人配したメタルバンド、オール・エンズ。ゴシックメタルではないけれど、普通にハードロックヘヴィメタルの括りに入るサウンドに女性ボーカル二人です。

 初っ端から盛り上がるし、二人の女性ボーカルを上手く使いこなしてインパクトもある。躍動感溢れる楽曲がオンパレードで続き、抑揚に富んだ作品。そしてバラードになるとゴシックメタル風味な世界観も創り出してくれるので、超メジャーではないけど良い感じに仕上がっている。特に思い切り歌い上げている「Walk Away」は聴いてて心地良い。これだけ歌えたら快感だろう。

 これからの活動と取り組みによっては化ける可能性もあるので面白そう。ただ、楽曲がワンパターン化しているからその辺のレベルをどこまで上げていけるか。疾走感も躍動感もかなり良いので楽しみ。

Artrosis - Live in Trojkais (2001) : Poland

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 ロックを普段聴いている人でもなかなか意識しないポーランドのロックに惹かれて纏めて聴いている。何となく知っていたつもりだけど全然知らなかった事もあり、刺激的なバンドに出会えてじっくりと向き合っているが、こういう耽美的陰鬱的な中のハードな発散を好きな人も多いだろう。エネルギーや開放感や絶望感はバンドが生々しくグルーブしていく事で出来上がっていくし、それを感じられるほどにプレイしてくれ、マジマジと実感しながら味わった一枚。

 世界がゴシック・メタルの新たなシーンで盛り上がっていった頃、ポーランドからMoonlightと共にArtrosisが世界に向けて旅立った。ポーランドでは人気を二分していたらしいが、いずれも女性ボーカルで美しく憂いのある耽美感を出しながらゴシックな味わいをメタルサウンドに乗せての作品。これが美しい。そのArtrosisはゴシックメタルが衰退すると共にバンドも消えてしまって、ある種潔くて印象が良いが、短い活動期間の中で二枚のライブアルバムをリリースしていた。ゴシックメタル終焉期にリリースした最初のライブアルバムがこの「Live in Trojkais」で、2001年リリースの作品。

 冒頭から耽美的なムードとゴシックな雰囲気のライブが淡々と繰り広げられ、何のミサを聴いているのかと思う雰囲気。スタジオ盤より全然ムードが出ているライブの面白さは、ただこの陰鬱さに引き込まれていく感触。やってる当人たちはそこまでのハズも無かったけど、良い雰囲気のライブ。ドラムが打ち込みだけど、全然許される範囲の使い方で、そもそもバンド的にネックになるドライブ感でもないから、むしろきっちりしてた方がトランス出来るくらい。ライブらしいアドリブが出来ないけど。それでもこれだけのライブを展開していたから素晴らしい。久々にゴシック・メタルを味わった。

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