Trapeze, Steamhammer

Trapeze - Trapeze (1970)

　ハードロック路線にこだわるかちょっとプログレ路線に行くか悩んだけど、一応メジャー路線繋がりにしておこう。でもまだハードロック路線はやりたいので続く。何でもありで英国らしさが充満している音がやはり堪らない。あまりに聴きたくなったバンドが多かったのでCD屋にフラフラと立ち寄るとそういうのが流れていて、曲は知らないけど英国らしい音が一発で分かる。ドラムの音も空気感もしっかりパックされてて楽しめる。

　Captain Beyondとトラピーズとどっちにしようかと思ったのが最初の悩み。Captain Beyondだと1972年のアルバムになっるので却下して、トラピーズで行こう。ご存じ第三期パープルのベーシストで有名なグレン・ヒューズがシーンに登場した最初のバンド。当然歌っているし、そもそも歌志向の強い人で本当は歌手なベーシストだ。しかもその歌が凄くソウルフルなのは知られているけど、それでもパープルのベーシストのイメージが強い。そんな彼がパープル前にやってたバンドなら聞く人も多いけど、多分大半の人は興味ないと思う。それは偏に音楽性が違いすぎるか。

　だが、ハジケまくった後のパープルよりも英国ロックマニアにはトラピーズの方が面白味は感じる。このバンドは全然B級でなく、かなり質の高い楽曲と演奏を誇るバンドなのでもっとマジメに聴く人が多くても良い。1970年にリリースされたファーストアルバムがまた魅力的なコーラスワークと歌い上げるベースライン、そしてソウルフルなボーカルとプログレな曲構成、更にはテーマがもの凄くファンタジーに溢れる英国的なので見事に楽曲と相まってひとつの世界を築き上げている。この後何枚かアルバム出すけど、ファーストが一番新鮮で好き。ちなみにドラマーはこの後ジューダスに参加するし、ギターはホワイトスネイクにも参加する人達。

　ジャケットもファンタジックで綺麗で、面白いのはムーディ・ブルースが設立したレーベル、スレッシュルドからのリリースで、こういう所からのバンドが売れる例はあまりないけどその中でもかなり健闘したバンド。

Trapeze -Deluxe-