Thin Lizzy #2 & Phil Lynott, Solos, Black Star Riders
Thin Lizzy - Renegade (1981)
Thin Lizzyの1981年リリース作品「Renegade」。ギタリストはスコット・ゴーハムとスノーウィー・ホワイトの地味な編成で、黙殺されつつあるアルバムの印象。自分もほとんど手を伸ばして聴いた記憶がない。どうしても中期か初期のアコースティックな作品になって、後期はあまり手を出さなかった。ジョン・サイクスになると、別物で手を付けるが、その狭間に位置するこの辺は聞く回数が少なかった。ところが、素晴らしく出来ているアルバムで、これぞThin Lizzy。最後の最後まで哀愁漂うロックが詰め込まれてた。鍵盤にダーレン・ウォートンが参加してしばらく経つが、このアルバムの初っ端から鍵盤ありきのサウンドで、これまでのThin Lizzyとは違う、やや冷たい感触も漂う雰囲気になってる。それでも、「Angel Of Death」のクールなスタイルはThin Lizzyが元々持っているアイルランド気質がなければ成り立たなかった、独特のハードロックサウンド。この時点でまだ新たな野望とスタイルを追い求めていたフィル・リノットの挑戦が垣間見れる快作。
一番響く曲は最後の「It’s Getting Dangerous」。哀愁メロディが奏でられるThin Lizzy特有のスタイルながら名曲。地味で目立たないけど、数々の名曲群の中に入れても良い作品。アルバム全体が実は素晴らしいので、もっと聴かれてほしいが、自分も気づいていなかったので、コレを機に多分手を伸ばすアルバムになる。この枯れ具合と寒さと疾走感はこ季節も年頃的にも好ましい感触。この素晴らしさを実感しないままに過ごしてたと猛省中。Thin Lizzyの作品に駄作はない。最初から全部聴いて楽しもうと思い直しているが、まずは本作、丁度今3回目を聴いてる。
好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪