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Black Sabbath
Black Sabbath - Black Sabbath (1970)
悪魔崇拝主義的な作品の流れになったのは運命の成せる業。陰鬱な世界観に進んでいる感じだったので、ユーライア・ヒープから悪魔主義的な発想で元祖とも呼ばれるブラック・サバス。
有名な1970年2月13日の金曜日にリリースされた曰く付きのデビューアルバム。これによってブラック・サバスは名前の通り悪魔崇拝主義バンドと音楽史に刻まれる。確かにこの「Black Sabbath」の冒頭に入っているバンド名=タイトル曲を耳にした瞬間にそのおどろおどろしい暗さと重さと荘厳さに慄く。誰もここまでのヘヴィさを出す事は出来なかったが、ブラック・サバスはやってのけた。ギーザー・バトラーのアイディアと言われているが、見事にコンセプトがヒットしたバンド。一方ではそれが故にバンドの方向性が決められた。
面白いのは冒頭の「Black Sabbath」の重さとアルバムジャケットの怖さにハメられて、バンドの音楽の分析がどうしてもイメージありきになる。今では有名な話だけど、2曲目以降のブラックサバスのこのアルバムに於ける曲調は重くも暗くもなく荘厳ですらないちょっとヒネった感のある70年代にありがちなブルースロックバンドと大差ない楽曲群だ。ハープが吹かれたり、ブルースリズムで基本的にその辺の音が奏でられている。ただしトニー・アイオミのギターリフが突出しているのとギーザー・バトラーのベースラインの面白さが凄い。更にオジーのキャラクターによってブラックサバスのイメージ戦略が成功している。それでもオジーの声がアレだから「N.I.B」のリフでもどこか魔物的な歌に聞こえてしまう。
好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪