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80s-90s U.K. Hard Rock & Heavy Metal

Blue Murder - Blue Murder (1989)

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 ザ・ファームのベーシストで頭角を現したトニー・フランクリンが次に加入したバンドはブルー・マーダー。ジョン・サイクスとコージー・パウエルの4人編成を目論んだが、結局ドラムはカーマイン・アピスが座り、ベースはトニー・フランクリンが参加。シンガー不在のままでリハを進めていたところでこのメンツ。

 デビューアルバム「ブルー・マーダー」はジョン・サイクスが立派にハードロックのシンガーレベルを超えたボーカリストの器量を発揮している。更に楽曲もシャープな音色で、サビもキャッチーな曲構成が練られた秀作。さすがホワイトスネイクの全盛期を創り上げた男。期待満点で組んだブルー・マーダーだったが、セールス的にはイマイチ。内容が良いが、元々コージーのドラムのためか、アルバムはコージーだったらマッチすると妄想出来る曲が多い。実際カーマイン・アピスもオリジナリティのあるドラミングを試みているけど、曲がコージー向き。BBAやカクタスを知ってると本作のカーマイン・アピスのドラムはやや異なる。

 アルバムは音が軽い感じもあるけどハードロック。トニー・フランクリンのフレットレスベースの音が異質に感じるが、歌が良くて聴きやすいし爽やかで人気出るのも納得。ヘタしたらボン・ジョヴィ並の人気が取れたと思う。この作品がジョン・サイクスのオリジナリティ最高峰と思う出来映え。シン・リジィの「Thunder and Lightning」はフィルが中心で、そしてホワイトスネイクの「白蛇の紋章~サーペンス・アルバス」も基本はデビカバでなければおかしいので、この「ブルー・マーダー」はジョン・サイクスの真骨頂ならかなり面白い。ただ、もうちょっとソロプレイを印象的に纏めてほしかった。あと、楽曲がどうしても単調になってしまいがち。

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