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Renaissance #1

Renaissance - Renaissance (1969)

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 古臭いと聴く度に思うが、それでもアイディアの豊富さやロックへの熱い想いやひたむきな実験精神が面白くて70年代のロックを聴いていると楽しい。これだけ聴いてても思うから相当なものか、自分の耳がそこにしか親しんでいないのか、偏屈なだけかはあるが、それでもこの斬新な発想力にはいつも驚かされる。年を追うごとに発想力やチャレンジ精神が好きになってる。常に斬新でありたいし感性を磨いて鈍くなりたくない。だから知らないバンドも聴くのもチャレンジ。そこからの新しい出会いもあるし面白い。でも、70年代には驚かされる。

 Renaissanceの1969年リリースの最初のアルバム「Renaissance」。久々に真面目に聴いたけど、これがまた素晴らしくてちょいと聴いて書くどころじゃなく、じっくりと3回位聴いて書いている。以前は結構中途半端なプログレで、この後のアニーの時代の方が圧倒的に素晴らしいと思ってそっちばっかり聴いてた。ところがだ今回それは逆だと思った。それぞれの素晴らしさはあるけど、オリジナルルネッサンスの素晴らしさは構築美とは違って発想力とセンスの良さ。その原動力がキース・レルフだけではなく、ジョン・ホウクンありきと。この人のピアノのクラシカルなセンスとルイス・セナモのボコボコしたベースの絡みがユニークな味わいを出していて、そこでキース・レルフのギターのセンスがジャジーに入ってくるのが新鮮だった。更に加えてジェーン・レルフの天上の初々しい歌声が天を舞う美しさ。このアンサンブルの最高峰が「Island」。クラシックとジャズと女性ボーカルの美しさを見事に同居させたロック。

 アルバム5曲しか入ってなくて最初から10分あるし、ピアノ弾きまくりから始まる。基本的にルイス・セナモのベースラインは全部追いかけてる。大抵自分の引き出しにあるものでそのバンドをイメージするけど、オリジナルルネッサンスはそうはいかない。正に70年代夜明け前の至高の賜物、美しいアルバム・ジャケットと共に中身の美しさもまったく引けを取らない素晴らしき作品。5曲以上要らないところにCDだとボートラ入ってる。それはそれで聴くが本来はアルバムで聴いたシンプルなスタイルが好き。それにしても美しい。

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