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落語形式で考えよう;報道されてる品質不祥事はマネジメントシステムで防げるってホント?

【第二十六回】 トップマネジメントと品質マネジメントシステムの原則文書-後編


熊さん 「5.2に方針に付いての要求が書いてありヤスが、どれどれ・・・、さっき聞いた品質方針とコミットメントについての説明を思い返すと、ウーンと、何とか理解出来るようでゲス。」

大家さん 「そうかい、それは良かった。確立した品質方針は証拠に使える文書にすることが求められているから、トップの作る品質マネジメントシステムの原則文書に書いて買い手に説明できるようにして置くと良いと思うな。」

熊さん 「だけど、文書化ってぇ事については世の中に疑問を持ってる人がいるみてぇでガスけどぅ・・・。」

大家さん 「ウン、どういうことかな?」

熊さん 「『ISO9001は、企業に文書化などの余計な業務を発生させて、製品とサービスの品質向上に役立たないので害悪だ。』なんて事を言っている人がいるってぇ話しをする親戚がいやしてね、大家さんの意見を聞いてみなって言われていやすンで・・・。」

大家さん 「うん、そんな意見もあるそうだけどな、そんなことを言う人はISOの標準はそれぞれの国の企業の品質活動を助けるのが目的って思い込んでいるんだろうな。」

熊さん 「それがどうして関係するンでガス?」

大家さん 「企業の品質活動はマーケットインというかけ声はあるものの、自分がキチンとした品質活動をしておれば、お客は信用してくれるものだ、品質活動については契約してから説明すりゃ良いって多くの企業が考えているようだね。」

熊さん 「昔は、男は黙って何とかビール、なんて広告があった時代もあったようでヤンスね。」

大家さん 「随分古いことを知ってるな。だけど、そんなことは製品のブランドが信用されるようになってからのことだし、最近は企業の積極的なPRが必要な時代になったよな、それ以上に、ISO標準が主眼を置いている国際取引ではブランドだけで取引出来るような甘い考えは通用しないんだよ。」

熊さん 「それで、信用を得るためにISOの品質マネジメントシステムの原則による企業運営と第三者審査による適合性証明が価値を持つようになったって事でガスね。」

大家さん 「熊さんが言ったようなことを言う人は、もの作りばかりを見て事業という観点を見落としているんじゃないかな。」

熊さん 「分かりやした。親戚にもそう言っておきヤス。じゃぁ、次に行きやしょう。5.3の組織の役割、責任及び権限ってのも、アッシの常識の範囲内で大体分かるように思いヤス。」

大家さん 「そうだろうな。5.1.3のc)を参考に、売り手の中の本来の事業の責任体制と矛盾する事を決めてしまわないように、必要だったら調整をしながら進めて欲しいと思うよ。」

熊さん 「なるほど。」

大家さん 「それとな、e)で言っている品質マネジメントシステムの変更を進めるときの注意事項は、大手銀行のコンピュータシステムの変更でトラブルがあったように、大きなリスクが潜んでいるので品質以外でも大切にしなければならない事だと思うよ。」

熊さん 「いやー、いろいろ聞いて疲れやした。大家さんも話し疲れたでヤンしょう。第6条からは次の機会にしやしょう。」

大家さん 「ああ、そうしよう。またな。」



 (次回に続く) 

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