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落語形式で考えよう;報道されてる品質不祥事はマネジメントシステムで防げるってホント?

【第二十二回】 売り手の品質マネジメントシステムの原則は?-前編


熊さん 「こんちはー、大家さん。またきやしたー。」

大家さん 「おお、きたな。じゃぁパソコンを用意して、っと。」

熊さん 「ありがとさんでぇ。エーと・・・・・、この画面に出ているISO9001の4.4.1ってぇのを見ると、第1条でISO9001が品質マネジメントシステム標準の規定だと言って以来初めて、作んなきゃならないよってことをココで初めて言い出しているようでヤンスね?」

大家さん 「そう、そうだな。4.1から4.3で企業が品質マネジメントシステムを作るための前提を固めてきたんで、4.4でいよいよ作る事に取り組むって構成だよな。」

熊さん 「でもどうして組織さんに要求してるンでヤンス?分かンねえよなぁ。組織さんってぇより具体的に書いた方が分かりやすいンじゃござんせンか?」

大家さん 「まあ熊さんの気持ちも分からんじゃないがな、企業だけでなく役所とか人が集まって仕事をしているところ全部を想定しているんで、組織と言う一般名にしているんだよ。ワシは企業の方が熊さんに分かってもらいやすいので企業と言ってきてるがな。」

熊さん 「ああ、ありがとさんで。でも、マネジメントシステム作りは社長さんや会長さんの仕事じゃねぇンですか?」

大家さん 「いや、マネジメントシステムはいろんな階層で必要でな、社長さんや会長さんなど、ISO9001ではトップマネジメントって言うんだけど、この人たちだけで直接に作るとは限らないんで、組織という抽象名で書いているんだよ。だけど最終的にトップマネジメントが責任を持たないといけないのに違いはないがな。」

熊さん 「4.4のタイトルに品質マネジメントシステム及びそのプロセスってありヤスが、このプロセスってのはアッシらの仕事で言えばぁ、基礎工事、柱立て工事、屋根張り工事なンぞの工事を言うのですかぃ?」

大家さん 「もの作りのプロセスと混同する人も多いようだがな、これは品質マネジメントシステムにあるマネジメントのプロセスの事だから、もの作りのプロセスと間違っちゃならないんだよ。会社の社長さんなどでは、ISO9001は品質のための標準だからもの作りプロセスのことを言ってんだろう、って早とちりしていることも多いようなんだ。」

熊さん 「マネジメントのプロセスってぇ言われたってアッシにはピンときやせんが?」

大家さん 「もの作りのプロセスといやあ何かを加工して形を変えて次の工程に渡すことだ。形を変えるためにはな、形を変えるためにはどう変えるかを指示されてなきゃならんだろう?」

熊さん 「アッシの仕事で言えば、角材や板材から柱や屋根などを親方からの指示をもらって作ることですかね?」

大家さん 「そうだな、で、マネジメントのプロセスてぇのはそんな仕事をする人を動かすために、入力となる情報をうけて加工して、別の情報に変形して次のマネジメントプロセスに渡す事を意味しているんだ。」

熊さん 「施主さんからの注文を受けて設計士さんが設計した家の設計図から、親方が角材や板材の加工方法をアッシらに指示するような事でヤンスね。」

大家さん 「ウン、ま、そんなモンだ。」

熊さん 「なるほどな、そう言や会社じゃぁ仕事はモノを作ることとモノを作らせることの二階層で出来ているってぇ親方が言ってたことを思い出しやした。」

大家さん 「で、品質マネジメントシステムはモノを作らせるための仕組みの枠組みで、プロセスってのはそれぞれの仕組みのことで、主にISO9001ではインプットって言ってる情報をもらってアウトプットと言ってる次の情報に変える仕事なんだよ。」

熊さん 「だからよぅ、品質マネジメントシステム及びそのプロセスってぇのは、枠組みとそれぞれの仕組み、プロセスの要求をしてるって事なンでヤンスね。だから、もの作りのプロセスと早とちりをしねえように気を付けろ、って大家さんが言ってたワケだ。」

大家さん 「だから、この4.4では、企業の品質マネジメントシステムには、まず必要な全てのプロセスの確認から始めなくちゃならないよって言ってるんだよ。」

 (次回に続く) 

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