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落語形式で考えよう;報道されてる品質不祥事はマネジメントシステムで防げるってホント?

【第四十一回】  購買と業務委託-中編


熊さん 「で、8.4.2で管理の方式と程度、ってことを言ってるようでヤンスけど、自分のトコの事業に合わせて外部から供給させるプロセス,製品、サービスなんぞの管理を決めろって言ってるンでヤンしょう、きっと?」

大家さん 「個別の事は言えないからそうなんだけど、決めた事について組織として責任を持たなきゃならない事と、決めた事を文書にして客観的に見えるようにしなきゃならないって事がそれに加わっているんだ。」

熊さん 「なるほど、マネジメントシステムでヤンスからね。このa)に書いてある組織の品質マネジメントシステムの管理下にとどめるって事はどうして外部供給のプロセスに限定してるンでヤンスか?」

大家さん 「これはプロセスの事だから外注委託の事を言っていてな、外注は製品の一部または全部の工程だけを委託する事なんで、委託したのは加工だけで、製品は委託元の持ち物なんだ。」

熊さん 「チョットまっておくんなせい、外注委託もモノの売り買いの契約になっているんじゃぁありゃせんか?」

大家さん 「外注委託の契約書は普通、委託業務契約書と言われていてな、業務の内容に関しては委託する側が責任を持たなければならないことになっていて、受託側はその受託した業務、今の場合は加工を忠実に実行するのが責務というワケだ。だから、再委託も委託側の指示や了解がなければやっちゃならんのだ。お金の受け渡しも加工賃は支払われるが加工されたモノの売買代金じゃないんだ。」

熊さん 「アッシの親方はたまに外注を使う事があってよ、材料売り、製品買いの契約をしてることがあるようでやんすけど?」

大家さん 「材料も支給が原則だがな、加工損失もあるんで、標準的な加工損失を前提にして材料売り、製品買取の代金決済をする契約にして、まさかの材料の横流しを防いだり、加工損失の管理させたりしている場合もあるけど、これがあっても委託加工の原則が無くなったワケではないのだよ。」

熊さん 「へーぇ、分かりヤシた。だから、外注をした場合に品質問題が出たって、委託先を悪者にして自分たちは知らん顔をすることは許されないって事でヤンスね。大家さんの前に話してくれた品質不祥事の中にそんな許されない事例があったよなぁ。」

大家さん 「そうだったな。」

熊さん 「b)は何を言ってるのかチョット分かりにくいのでヤンス。」

大家さん 「ウン?これはね、普通の購買にしても業務委託にしても、外部供給者をどのように管理するかと言うことと、委託したプロセスの結果物や発注した製品あるいはサービスをどのように受取りするか、両方の管理を決めなさいと言っているよ。」

熊さん 「ついでに、c)についてもお願いしヤス。」

大家さん 「c)はねぇ、b)でいう管理は扱う顧客要求事項と法令・規制要求事項から見た外部供給品の重要性と、外部供給者が行う管理の信用性に見合っていなけりゃいけないよという事だ。ただし、外部供給者が行う管理の信用性ってのは始めにキチンと評価してみなけりゃ分からんだろうけど。」

熊さん 「フー、もう少し分かりやすい言い方にしてもらいたいモンでヤンス。」

大家さん 「d)は受入検査のことを言っているがな、外部供給者にも検査をさせるなら、その検査方法が自分たちと同じ検査方法で、検査結果が同等の信頼性を持っているか、7.1.5を参照して確認することをしていないといけないよ。」

熊さん 「だろう、や、思うよ、ではダメだって言うことでヤンスね。じゃぁ、8.4.2はこの位にして、次に行きやしょう。」

 (次回に続く)

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