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落語形式で考えよう;報道されてる品質不祥事はマネジメントシステムで防げるってホント?

【第三十一回】  支援、って何?


熊さん 「チワ-大家さん、ご機嫌ですカイ?」

大家さん 「ああ熊さん、元気だよ、まあ上がんな。」

熊さん 「この前は東レの第三者調査委員会の報告の話し、ありがとさんでヤンした。今日は元の話しの続きを聞きたくて寄りやした。」

大家さん 「ああ、ISO9001の第7条の話しをする約束だったな。どれ、またパソコンを持ってきて、JISCのホームページからJIS Q9001を検索して、っと。第7条はここだよ。」

熊さん 「へー、第7条は支援、ってぇ標題を持ってるンでガスね。応援団でも要るって話しでヤンスか?」

大家さん 「いや、応援団を作ろうって話しじゃあないんだ。ISO9001が言っている品質マネジメントシステムはある製品の買い手に納得してもらって製品提供能力があるってことを信用してもらうことが目的だから、有効な品質マネジメントシステムを作って実行する際には、会社として共有事項を提供してサポートしなきゃあならないって話しなんだ。」

熊さん 「なるほど、資源、力量、認識、コミュニケーション、文書化した情報、って共有事項の提供を考えておかねぇと、会社の一体感のある品質マネジメントシステムってぇのがうまくいかねえぞ、ってワケでヤンスか。」

大家さん 「うまくいかないかどうかは別として、買い手に納得してもらって製品提供能力があるってことを信用してもらうというISO9001の目的の実現が難しいだろうということだよ。」

熊さん 「でもよう、こんな話しは新規の仕事を始める時に考えなくっちゃならねぇ品質マネジメントシステムの話しでょう、大抵の話しは仕事を始めてからISO9001の認証を取ろうということで、今更考える話しでもないように思いヤスがどうなんでぃ?」

大家さん 「うん、熊さんの疑問も分かる。ISO9001はなにも第7条のマネジメントシステムを示せと言っているワケじゃないんだからな、ISO9001認証を取ろうと決めたときに、第7条が要求していることが満足されているかどうかを確認したら良いと思うよ。」

熊さん 「で、資源ってのは鉱物資源とか天然資源とかいう、製品に使う原材料の事ですカイ?」

大家さん 「普通はそう言うのに使う言葉だけどな、ここでいう資源は、企業のもつ技術力、経営管理能力、マーケティング能力、資金調達力、そのほか企業内で開発・蓄積された種々のノウハウなどを一括して意味する経営資源と言われるモノを指していて、それを該当する品質マネジメントシステムが使えるようにしなけりゃいかんよ、ということを意味しているようだな。」

熊さん 「ふーん・・・・。7.1の資源の項は7.1.1一般で始まっていやすけど、一般ってぇ言うときは、一般的にはこうだが個別にはこうこうだ、って別の事を言う場合と、一般に言うとこうで具体的にはこの場合はこうこうだって詳しく話しを広げる場合とあるようでガスけど、この場合はどっちでヤンスか?」

大家さん 「熊さんえらいね、よく疑問をもったね。ISOでも一般って言葉は誤解を起こしやすいから、熊さんが後で挙げた場合に限って使う事にしたらしいんだ。」
熊さん 「わかった、だから、7.1.1は簡単なんだ。会社が持ってる経営資源の内で今の顧客要求事項と関係する法令・規制要求事項を実現する仕事に使える資源は何かを決めろ、って。」

大家さん 「そうだな、具体的には7.1.2から7.1.6に事になるよな。」

熊さん 「7.1.1のa)に既存の内部資源の実現能力及び制約を考えよ、ってぇ事が書いてありまっけど、実現能力があったり、あっても制約があって使えないってぇことがある時はどうしたら良いンでぃ?」

大家さん 「その時は、買い手の要求を引き受ける以上、b)にあるように外部に信用のおける提供者を見つけなきゃならないこともあるよな。言っとくとな、b)を原文に忠実に翻訳すると、外部提供者から取得することになるニーズは何か、ってえことになるんだ。」

熊さん 「その方が分かりやすいやな。資源の個別の話しの最初に人々が出てきヤスが、これも簡単な要求の文でガスな?」

大家さん 「簡単だけど、必要な人々と言うと、提供する側にすればどんな人を何人提供しなけりゃいけないか根拠も含めて訊いてくるって思うし、買い手だって関心があることなんで、認証の審査を考えりゃあ答えられるように用意しときゃならんと思うよ。」

熊さん 「そりゃそうで。で、7.1.3のインフラストラクチャ、って舌を噛みそうになりやすけど、こりゃぁなんなんです?」

大家さん 「もともとは社会の公共共有設備の事なんだがな、会社の中では会社の共通基盤にあたる施設、設備、サービスなどの事を言っててな、当然、維持、管理の仕組みがあって、買い手のための品質マネジメントシステムを使う仕事にも使わせなければならないんだ。」

熊さん 「この7.1.4じゃぁ、プロセスの運用に必要な環境と、製品及びサービスの適合を達成するために必要な環境の二つの環境について書いてありやすけど、よく分かんねえンで説明して下さいな。」

大家さん 「ワシもよく分からん気持ちもあるがな、前者は原文ではプロセスのオペレーションって書いてあるから実現工程の環境の事を言い、後者は適合性の確認のためのメジャメント、つまり測定の工程の環境を言っていると思うよ。それぞれを行うにふさわしいところで行いなさいって事だな。」

熊さん 「なるほど。」

 (次回に続く) 

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