空想? 妄想? 昭和紅白歌合戦 ②
その②は、6組〜10組の出場者を発表します。
6組目 『エアメール対決 アメリカ VS カナダ』
白 : サーカス 『アメリカン・フィーリング』
紅 : 畑中葉子 『カナダからの手紙』
78年と79年の曲です。この頃から海外旅行も当たり前になってきた世相をを反映してますね。両方とのエアメールが主題です。
直訳すると「アメリカ気分」。「アメリカン・フィーリング」っておかしくないか? 歌詞の中では「フィーリング・イン・アメリカ」となってます。まあ「カリフォルニア・ドリーミン」という歌もあるからね。「今 わたしはコバルトの風」って意味不明だが、雰囲気は分かる。こんなコーラスグループは当時もあまりなかった、今では絶滅したな。サーカスは「Mr.サマータイム」もいいですね。まだ現役で活動されてます。
平尾昌晃先生素敵です、クネクネ最高です。畑中葉子初々しいです。カナダに一人旅するんや、豪勢やなあ、憧れ。そんな日が俺にも来るのかなあと思ったが、来なかった。平尾昌晃先生の曲だから悪い訳はないです。畑中葉子さんのバリバリ現役のようで、私は彼女のTwitterをフォローしております。
7組目 『不倫ソング対決 (詞は吉岡治)』
白 : 大川栄策 『さざんかの宿』
紅 : 石川さゆり 『天城越え』
7組目にして初めて演歌です。パターン化した演歌は好みではないですが、この2曲は詞が凄いのです。作詞家 吉岡治さんは「おもちゃのチャチャチャ」や美空ひばりの「真っ赤な太陽」とかの作者です。この2曲とは全然違います。
♫くもりガラスを 手で拭いて あなた明日が 見えますか♫ 人生幸朗ならば、「見える訳ないやろ、お前は予言者か? 責任者出てこい!」というところです。明日は見えないよなあ。2番の「ぬいた指輪の 罪のあと」罪のあとですよ、罪の。「明日はいらない さざんかの宿」そうか、明日はいらないのか、他人の妻だからな、今夜だけ。吉岡治凄い、「おもちゃのチャチャチャ」作詞した人とは思えない。
説明する必要はないと思います。歌詞よし、曲よしです。詞はどこをとっても素晴らしい。「あなたを 殺していいですか」ゾクゾクと震えます。イントロと編曲も今までの演歌のパターンとは全然違いますね。かなり凝ってますし、カッコいいです。イントロの鼓のポン、ポンって誰が思いついたのかね。
それとシングルのジャケットもたまらんです、これを色っぽいというんですね。すべてが完璧です。
8組目 『ヤマハポプコン対決 最優秀曲とグランプリ』
白 : 因幡 晃 『わかって下さい』
紅 : 小坂明子 『あなた』
ヤマハポプコンって懐かしいな。最初はフォーク調が多かったのですが、世良公則&ツイスト「あんたのバラード」(1977)あたりからロックが多くなりました。♫ボヘミアーン♫の葛城ユキも1974年にフォーク調の『木曽は山の中』で参加してます。
因幡晃さん、グランプリではないんです。なぜならこの時のグランプリは中島みゆき『時代』ですから。ポプコンの一番良い時代ですわ。この曲は時代を超えた名曲ですね。
この曲はグランプリです。流行ったなあ。中学校の下校時に流れてたのを覚えてます。素直な曲ですが、良いですよね。
ポプコンの大阪地方大会の審査委員長は父親だったそうです。父親は最後まで出場に反対してたとか、本人がTV番組で言ってました。
9組目 『ルビーと砂対決』
白 : 寺尾聰 『ルビーの指環』
紅 : 小柳ルミ子 『星の砂』
ちょっと無理矢理の対決となりました。”ルビー”だから”ダイヤモンド”にしようかとおもったのです。朱里エイコの「ジョーのダイヤモンド」ってのがありますが、ご逝去されてますので、泣く泣く諦めました。
当時、編曲にびっくりしました、新しくて格好良かったですね。井上鑑ですね、売れました。寺尾聡は「奥様は18才」で脇役でしたね。元グループサウンズのメンバーだったって知りませんでした。
当時石原プロダクション所属で、「西武警察」出演されてました。この曲を発売するとき石原プロの小林専務が「こんな念仏みたいな曲うれるか!」といったとか。でも裕次郎が「おもしろいじゃないか、まあやってみな」ということで発売になった。
今は渋い役者さんです。こんないい役者になるとは。「男はつらいよ」に3回は出演してます。最初はマドンナ大気喜和子の「夕焼け小焼け」の市役所の職員、これは名作です。父親の宇野重吉も出演してます。2回目はマドンナ真野響子の大洲のお巡りさん。3回目はゴクミシリーズのマドンナ夏木マリの別れた亭主役でした。
動画全部観た方は分かりますが、作詞:関口宏 作曲:出門ヒデ(ヒデとロザンナ)です。この頃までかな、小柳ルミ子が普通だったのは。結婚したあたりからちょっと。
結婚式は渋谷のサレジオ教会で行われたですが、私は見たんです。隣のビル(3階建てぐらい)で会議してまして、式が終わって表に出て来た所を見ました。お土産に星の砂の瓶詰め流行りました。家にもあったな。
10組目 『洋楽日本語カバー対決』
白 : 尾藤イサオ 『悲しき願い』
紅 : 中村晃子 『あまい囁き』
尾藤イサオさんはすぐ思いついたのですが、対抗馬が決まらない。長山洋子の「ヴィーナス」とか荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」とか候補に上がりましたが、インパクトが弱い。超かわいいのですけどね。60年代にはカバーは沢山ありますが、古すぎるでしょ。それで細川俊之さんはご逝去されてますが、『あまい囁き』で押し切ります。
この曲は元々ニーナ・シモンというジャズ歌手の曲(’64)で、その後アニマルズがカバー(’65)しました。そのとき尾藤イサオさんも日本語でカバー。その後サンタ・エスメラルダがカバー(’77) 曲は当時流行ってたディスコ調です。尾藤イサオさんは2回目のカバーを出してます。私はそのとき知りました。尾藤さんの「あしたのジョー」もよかったですね。
「ブルーコメッツ」は元々伴奏専門バンドだったそうです。ある演奏会でボーカルの歌手が、電車乗り過ごして間に合わなかった。で、自分たちで演奏しながら歌ったら受けたそうです。それでメジャーデビューとなった経緯があります。その歌手とは? そうです、尾藤さんです。
元々はイタリアの曲を、アランドロンとダリダがフランス語でカバー(’73)これは覚えてます。でも中村晃子と細川俊之がカバーしていたとは知らなかったんです。今聞くと細川俊之ピッタリだな。スケコマシの嫌らしさが出てます、恐れ入りました。2011年にご逝去されてます。合掌。
中村晃子は「虹色の湖」がいいですけど、「恋の綱渡り」もね。
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