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接客態度と味はリンクするって話

先日とある女性と食事に行った。

お店の予約時間の関係で先にスイーツを食べたのだが、時間も早いしお酒も飲みたいし小腹も空いてるということで、もう1軒行こうよと彼女を誘って、以前行ったことがあった串焼きの系列店がたまたま空いてそうだったので入ってみた。
以前行ったお店はテーブル席だったが、系列店はカウンターのみの店で、店長ぽい男性がそちらにどうぞと席に案内された。
その時は本当に小腹が空いていたのだが、注文を取るタイミングで店長ぽい男性が矢継ぎ早に話しかけてきた。

「何頼む?」
「それだけ?できれば混む前にまとめてくれた方が嬉しいな」
「もつ煮はいらない?うちに来たらもつ煮は食べないと」

この時点で少し嫌な気分になったが、確かに週末で混む時間だ。店員の数も少ない。店長という立場もあって店のオペレーションを回すために必要なのだろうと思った。それにここで不機嫌な態度を取ったら一緒にいる女性に申し訳ないという思いもあった。

こちらの気分もお構いなしにさらに馴れ馴れしく話しかけてくる店長。
「レバ刺し食べない?」
私の方が明らかに歳上だし、顔馴染みでもないのになんでタメ口なのか…という思いもあったが、彼女がレバーが苦手ということは知っていたので断ったところ
「いや、お客さん、うちのレバーは絶対食べれるよ!俺も昔はレバー嫌いだったんだけど、ここのレバーを食べたら…」と何故かレバーが苦手という彼女にレバーを勧めるという飲食店として有り得ないような行動に出られ、完全に気分が萎えてしまった。
今思えばそこですぐに精算して店を出れば良かった。彼女に変な店に連れてきてしまい申し訳ないと謝って仕切り直せば良かった。
ただ、もう既に先程オーダーした串焼きを焼いているのが見えてしまい、なんとなく注文した物はせめて出してもらってからにした方がいいかもしれないと思って我慢してしまった。
彼女は性格のいい子なので特に表情には出てなかったが、きっと内心は嫌な気分だろうと想像すると胃がキリキリ痛んだ。そうすると、本当にビックリするくらい食欲がなくなってしまった。
以前系列店でも食べた名物料理が運ばれてきたが、まったく味がしなかった。
口に入れても味がしないのだ。
ダンボールでも食べているような気分で1口食べて残してしまった。

なんとか気を紛らわそうと話をしたが、自分でも何を話しているのかわからなくなり、とにかく酒を飲んで誤魔化そうとしたが、空きっ腹に飲んでるせいかどんどん酔いが回ってきてしまった。

さすがに限界だと思い、お会計をして店を出た。

お店の雰囲気は最悪だったし、私の方も明らかにいつもと違う態度だったのにも関わらず、笑顔で付き合ってくれた彼女に本当に申し訳ない気持ちになってしまった。

3軒目にTwitterで昔からの顔馴染みが店長をしている『スープが飲めるバー ぶろす』に移動した。

知ってる顔を見てホッとしたせいか、先程までの胃の痛みがなくなってくるのがわかった。

ボトルキープしてあった安いウイスキーでいつもどおりハイボールを作ってもらう。

本当に譲歩抜きで、先程の店とは全然違う味がした。サントリーの角瓶をスーパーでも売ってる炭酸水で割っただけだ。家でも作れる。でも、不思議と美味しいのだ。彼女の方もこっちのハイボールの方が美味しいと笑っていた。

どんなに美味しい料理でもその時の気分次第で味が変わってしまう。

バーで飲むお酒が美味しいのは、お店の雰囲気込みなのだ。バーのお酒が居酒屋よりも高いのはその場の雰囲気やバーテンさんとの会話、つまりはバーにいる時間にお金を払ってるからなんだと改めて感じた夜だった。


『スープが飲めるバー ぶろす』
Twitter: @soupbar_broth
東京都新宿区歌舞伎町1丁目4-12
ナカヨシビル B1F
営業時間
20:00〜翌7:00



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