Google Colaboratoryによる筋電図の分析-1
こんにちはロック204チャンネルです。
今回は「google Colaboratoryによる筋電図の分析1」と題しお送りします。
この動画の内容は、最初に筋電図の基礎的知識
次に筋電図の測定値について
最後にpythonでの筋電図分析例について紹介いたします。
筋電図はElectromyogram (EMG)と略されて表現されます。筋電図は筋肉から発生する微弱な電気的変化を増幅器で大きくして記録したものです。
筋肉は筋線維と言われる個々の細い筋肉細胞が活動したとき微弱な電位を発生します。
多くの筋線維が収縮すると、電気的活動が集積されて、右の図のような記録を取ることができます。これを筋電図と言います。
こちらは筋線維が活動したとき筋肉の中を流れる電気と電圧の変化の関係を示しています。
この筋線維の上に電圧計を置くと左のような筋肉の活動電位が記録されます。
この電気的変化を記録したものが筋電図といわれるものです。
筋電図を収集するには、いろいろな方法がありますが、大きく分けて三つの方法があります。最初は針筋電図と言われるものです。これは注射で用いられる針を電極として用いて、直接筋肉にこの針電極を刺して活動電位を取るものです。
主に診断学的分析に使用されるもので、筋肉の病変などを特定するために用いられます。次にワイヤー筋電図と言われるものがあります。
これは注射針の中にワイヤーを入れてそれを筋肉に差し込んだ後、もう一度注射針を引き抜くとワイヤーだけが残るというものです。これを電極として用いる場合をワイヤー電極と言います。
この使用目的としては、診断学的利用方法と運動学的分析に用いる場合があります。ワイヤーは非常に細いので動いても痛みがほとんどありません。したがって運動を行ったときの活動を測るのに優れています。最後に表面筋電図と言われるものがあります。これはパウチ状の電極で、これを人体の表面に貼って電極として使用する場合を表面電極と言います。これは全く痛みがないので運動を行った時の障害になりませんし、動作を分析する場合に使用されます。また表面電極は誘発波の測定にも使用されます。これは電気を神経に流して、その電気によって誘発された筋肉の動きを筋電図として捉えるものです。これは診断的用途に用いられます。
筋電図でどのようなことが分かるかについて説明します。まず、筋活動量と運動単位の活動様相ということですが、筋肉がどのような活動をしているか(大きく収縮しているのか、小さく収縮しているのか、早く収縮しているのかなど)を分析するために利用されます。
次に、筋活動の時期については、他の筋肉の動きに対して遅れて活動するのか、先行して活動するのかなどを分析するために用いられます。
さらに、筋電図はその周波数を測ることによって、筋肉の疲労状態を推定することもできます。最後に、誘発筋電図では、末梢神経の病気や運動ニューロンの興奮性や疲労などの状態を推察することができます。
こちらは最近の筋電図の測定装置です。昔は大きな機械でしたが、最近ではこのようなコンパクトな装置で測定できます。
手前の白いボックスは筋電図の入力ボックスです。この中には、電位を増幅したりフィルターをかけたりする回路が入っています。
この出力をパーソナルコンピューターに取り込んで、各種のデジタル処理が行われます。
こちらは表面筋電図の電極の設置方法について示した図です。電極設置方法には、単極導出法と双極導出法があります。
単極導出法は、筋肉から電位を導出する探索電極を筋肉の中央部分に設置し、電位が発生しない部分(骨の突出部や腱など)に基準電極を設置します。
この方法の特徴は、雑音や隣の筋肉からの影響(アーティファクトやクロストークと呼ばれる)を受けやすいということです。
こちらは双極導出法と言われる方法で、一対の探索電極を筋腹に置いて筋電図を導出する方法です。
この方法の特徴は、単極導出法に比べて、隣の筋肉からの影響(クロストーク)を受けにくいということです。主に運動学的分析などで、この方法が用いられます。
筋電図を取る場合は、導出される電位が非常に小さく、雑音やアーチファクトと言われるものが混入しやすいです。
このアーチファクトには、体が動いた時に基線がずれたり、心臓の発する電位(心電図)が混ざったり、コンセントから流れる電流の影響(いわゆる商用電流による雑音)などがあります。
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