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コンペに落ちても肩まで落とすな


高速バス雑記。久々です。
違うんです。高速バス自体にはしょっちゅう乗ってるのですが、最近は道中を東洋経済オンラインや日経電子版を読む時間にしていたから書けなかったんです。

... すみません嘘つきました。
僕が読んでいたのは東洋経済オンラインではなく『怪獣8号』でした。
日経電子版ではなく『ダンダダン』でした。



以前にも書いたと思うのですが人間にとってフィクション、つまり創作はものすごく重要な活動であるという話。

実際、明日の日経新聞が待ち遠しくてたまらないということはないけど、『ダンダダン』の最新刊は早く読みたくて仕方ないんです。

創作ってそういうもんだと思います。



これも色んなところで書いてる話なので既に皆様のお目にかかっていたら恐縮なのですが、創作はしばしば料理に喩えられることがあります。

人間にとって必要不可欠な存在であるという意味でもそうだし、作り手のこだわりみたいなことについても同じことが言えると思います。


このスープは出汁に〇〇産のコンブと鰹節を使っていて、隠し味に××年のワインを添えています。ワインについては△△という酒蔵のものでこれは☆☆という品種のブドウがなんとかかんとかでどうのこうのがああしてこうして...

とか語られたら、確かにあなたはそこにこだわったのかもしれないけど、早く食べなきゃ冷めちゃうし、なんか、野暮だよねって。


ミュージシャンが曲に込めた想いを語ったりするけど、使った機材の話とかはギターマガジンには書いてもお昼のワイドショーでは語らないですし、なんかそんなところも似てる。


note創作大賞の選考結果が一部出始めていて、身の回りでそれを通過した人もいれば、そうでない人もいます。

僕もそれぞれにおめでとうと言ったりまぁそう肩を落とすなよと言ったりしています。


創作をする人間は必ず誰かに認められたくてそれをしています。必ずです。僕もそうです。

人によってその規模は東京ドーム満員のお客さんのこともあれば友人数人の場合もありますが、誰かに認められたいというところは共通しています。

だからこそコンペが成立するし、だからこそ通れば嬉しく、だからこそ落ちたら悔しいです。


ただ個人的には、「なるべく多くの他人に評価されること」は、創作における本質的な目的ではないと思っています。

こんなことを書くと綺麗事と思う人もいるかもしれませんが、そうじゃないです。僕は創作の話をしています。もしも僕が「コンペに勝つ」ということについても全く同じことを言ってるならそれは確かに綺麗事なのですが、そうじゃなくて僕が語ってるのは創作活動自体についての話なので、そこは分けて考えてもらえると助かります。


何かを選ぶということは「何を選ばないかを決める」ということでもあるので、コンペに出た以上、自分がそっち側に入る可能性は、もともとあるわけです。たまたまそっちに入ったというだけで。

そっちに入った理由は、基準を満たさなかったから、ということになりますし、選ばれたいなら次は基準を満たせばいいだけのことです。


それが自分のやりたい表現と異なるなら、最終的にどっちを優先するのか?って話で、あくまでも評価や名声みたいなものにこだわるなら自分のこだわりはある程度捨てる必要があるし、そのことが苦しいならコンペの場から離れて創作を楽しむことが自分の幸せにつながります。

シンプルな話ですがけっこう勘違いしやすいところで、自分の好きなことを表現してそれでもって評価も受けたいと考えてしまう人はとても多いです。


でもそれじゃダメなんです。どっちかに決めないと。

他人の期待に応えるというのは求められたことをきっちりこなすってことなので、自分の世界観を表現するみたいな世界とはまた全然違います。

だから、創作について語るうえでは、note大賞に選ばれなかったからって自分の創作について落ち込む必要はないから自信を持っていていいんです。

たかだか知らん他人に選ばれなかったくらいのことでせっかくの創作を否定なんかしたら作品が可哀想です。

僕も『虹の足元』という小説をnote創作大賞に応募しましたけどまったくなんの音沙汰もなく綺麗にスルーされました。それでも僕は『虹の足元』という小説がとても好きです。

それは、他人に選ばれるためじゃなく、自分が作りたくて作ったものだからです。


音楽も、コンペ用に作った曲が落ちたら受賞作と徹底的に聴き比べて研究したりしますが、そうでない曲が思ったより聴いてもらえなくてもあまり落ち込んだりしません。届けたい人に届けられたから、それでいっか!って感じです。

その辺の感覚は、仕事の音楽をいったん落ち着かせてプライベートな音楽としばらく向き合ったことで少しずつ生まれたものだったりします。

前は金金金金で仕事や実績のことしか頭になかったから、音楽やってて苦しい時間が結構あった。

そりゃ、創作とビジネスはもともと向いてるベクトルが全然ちがうので、相反するものを身体の中に共存させたら苦しいに決まってたんです。


そんなわけで、長くなりましたが、コンペに落ちたからって自分の作品につらくあたるのはあまり良いことじゃないよって話でした!

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ジユンペイ
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