「記事から曲」4曲目 夕月檸檬さん
「記事から曲」4曲目は、夕月檸檬さんの「バータイムのカフェでひとり…」とのコラボです。
お洒落でカッコイイのだけれど、どこか寂しい香りも残している素敵な作品。皆さんもぜひお読みになってください!
今回の制作で焦点を当てようと思ったのは、「独りでいるということ」について。
せっかくバーに来たのだけれど、事情があって飲めない主人公。「飲みたい気分だった」という一文から始まるところを見ても、何かあったのだろうと推察されます。
目まぐるしく色が変わるカラータイルを背景に、しばらくサラトガクーラーの泡を見つめながら、向かい側の空席に「お待たせ!」と座る人が現れないかと、ありもしない夢想に耽(ふけ)った。
ノンアルコールなら付き合ってくれそうな人を、思い出しながら……。
確かに孤独を感じる状況ではあるのだけど、実は彼女にとってそれがすべてではなく。
私好みに程よく炭酸が抜けた頃、一口一口、ゆっくりと味わいながら飲み干した。
ビルの外に出て、もう少しノスタルジーに浸っていようか。
あの冬を思い出す、青い光の場所で。
ひとりでも、退屈はしないよ。
つまり、ひとりではあるのだけど、そうだとしても退屈はしないということ。テーマは「孤独」ではなくて「独りでいること」だと解釈しました。
この点については、主旋律の楽器を複数もちいてテーマを少しずつ変えることによって、一人でも退屈していない様子を表しました。
それはノンアルコールカクテルなのかもしれないし、「青い光」なのかもしれません。
タイトルはこちらから借用して「青い光」としました。
その他のこだわりとしては、より「ひとり」感を強調するためにドラムとベースのリズムセクションをきっちり作り込みボリュームも少し大きめに設定しました。リズムが安定していることで地に足のついた感じがして、「ひとりでしっかりと生きている」という印象につながるかなと。
とはいえ、「寂しくない」とは言っていないところ。ここが微妙なところですが、主人公の心情を想像するに、明らかにわかりやすい感情ではなさそうなんですよね。その入り混じった気持ちを表現するべく、コード進行を敢えてややこしくしてメジャーとマイナーを行ったり来たりするような、そんな曲調に仕上げてみました。
また、バーということでまったりなイメージもあったので、癒しの調律とよばれる432Hzでチューニングしています。
これから寒くなり寂しい感じの季節になりますので、人肌恋しくなったときなんかに聴いてもらえたら嬉しいです。
夕月さん、素敵な作品とのコラボ機会をいただきありがとうございました!
▼夕月檸檬さんのプロフィールはこちら
ジユンペイ
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==今回の制作配信==
▼コード進行などを決め、デモ音源を作った回です。
▼編曲を進めミックスダウンまで行った回です。
==お知らせ==
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