ソフトウェア開発201の鉄則 原理36:研究がおわってからの技術移転はうまくいかない
要旨
* ソフトウェアの研究成果で、実際に役に立ったのは、ごくわずかなのが現実だ
* うまくいかないのは、研究者が経験がないとか、研究者と開発者で使う語彙が違うといったことに起因する
* 研究から現場への技術移転で成功した事例は、研究開始の当初から現場と密な連携から生まれている
* 現場は、研究のアイディアを、完成してからでなく、途中で確かめるためのもの、とくらいに考えるとうまくいくだろう
解説
ソフトウェアに限らず、工学の分野は、上流から
研究⇒開発⇒事業⇒保守・運用
と進む。この原理は、研究と現場、という記述だが、異なるフェーズ間のやりとりにも、あてはまる。
開発が終わってから、さて移管、と事業所に持っていっても、うまくいかない。
実は、そんなん、当たり前なのだ。
「研究」「開発」「事業」... それぞれのフェーズで、目指すもの、携わっている人、役割、すべて、そもそも違う。
その違いを理解せず、考慮しないで、出来るわけが、ない。
なので、それを解決するためには、結局、これまで言われている、2つのこと、「コミュニケーション」「イテレーティブ開発」が施策として当てはまる。
1. 異なるフェーズ間で密な連携をとろう
2. 短いサイクルで成果を確かめながら進化しよう
どのフェーズでも、どの相手でも一般的に通じる原理だろう。
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