教育入院の思い出
※数年前の思い出で実際の入院内容とは記憶の相違により何かファンタジーめいた記述がございます。
お毎年会社の健康診断で各種数字が高く、その都度医者から注意をされてたんですが、まぁなんとかなるっしょくらいの感じで聞き流してたんですが。
とある年の検診結果と入院に関する諸々が届いた。
何度言ってもきかねーから(数字が改善されない)、入院してこい。というもので治療というよりは今置かれている状況をしっかり見直してこい!という内容だった。期間は1週間。1週間も会社休んで病気でもないのに(いや、病気なんだけど)入院するってことだったんですが、そう言われてみればなんだか体調が・・・とわかりやすい変化が出たので会社に迷惑かけながら無事入院することに。まあ会社に迷惑ってのも自分が悪いんですが。
着替えや書類を携えて、自宅から電車で一本。一度は聞いたことありそうな「っぽい」名前の病院。大きいです。ぽいというかモノホンなんですが。手続きをすると教室みたいなところに通されます。周囲には10〜15名くらい教育入院をする老若男女がズラリ。言い忘れましたが「糖尿病」予防・改善のための教育入院で、僕らは「糖尿病予備軍」と呼ばれました。
で、世界(糖尿界?)で有名という女医さんの自己紹介(見た目優しそうな40後半くらい)からいかにこの病気がおそろしいかを、そしてお前らがすでに片足どころか胴くらいまで浸かっていると、そういうのをコンコンと話しておられました。
まわりのメンツを見てみると、明らかに「家族に言われて仕方なく来た顔」をした人が半分くらいいて「こんな話聞かなくてもチョチョッとやれば数字なんか改善するべ?」みたいな。
一昔前でいうガチンコファイトクラブみたいな(笑)まぁ一触即発みたいな空気ではなくみんな大人しく聞いてましたが、「ダリィ〜」みたいな雰囲気は伝わってました。
お前ら全員数値があがっとるけえのぅ
この日から病院側が組み込んだ時間割通りに生活するわけなんですが、朝の9時から夕方の5時くらいまで検査やお勉強会などまあまあミッチリ入ってます。体重を落とすための運動の時間みたいなのは全くなかったのですが、「空いた時間にてめえでやれ」ってことらしいです。うほーキビシィ〜w。でもこの時間割とか学校みたいー。楽しそう〜。違うことといえば自分の居場所は机ではなく病室のベットなんですが(笑)
で、その居場所となる病室に通されると7人部屋でしたかね。部屋の中にキレイなトイレもついてましたよ。廊下に出れば普通にトイレ使えるのに・・・病院のトイレって介助とか必要な場合もあるので一般の方用ですかね?
テレビ(有料)もありますが、共同の部屋なのであまり好きな番組を見る雰囲気でもなくけっこう病室内は静かで、それが返って悲壮感出るっていうか(笑)漫画でも持ってくりゃよかったなぁと後悔しました。
この雑誌の特集タイトルだけ声を出させて読まされました(笑)
食事はもちろん数値に配慮された病院食。僕は生まれてこの方入院したことがないので、噂に聞く「うす味」「基本的にマズい」がどれだけのもんかドキドキしてたんですが正直、普通に美味かったです。たしかに薄味でしたけどね。あとで知りましたが、各個人の数値に合わせたメニュー(量)だそうで、特にお茶碗にもられたご飯の量は把握しておくように言われました。
勉強会は1日3〜4時間程度を何度かに分けて行ってましたが、まぁいわゆる食事に関するお話です。結構値がどうとか、どの食べ物が糖質がどうとか、低血糖になったらどうすれば良いか?などなど。例の女医様がところどころ脅しを盛り込んでおもしろおかしく話してくれます。普通にきけばシャレにならない内容ばかりでしたけど。
そこからガチンコ教育入院のメンバーからいろんな質問が飛び出てきます。
主に「しょうがなく来た」人らなんですが、体型がまるまるした40代のオバちゃんでしたけど、会社経営者らしいです。「コーラはどれくらいまで飲んでオーケーなんですか?」「コカコーラゼロならセーフですか?」と飲む前提の質問ばかり(笑)女医様も「まぁほどほどに」と言ってますが、最終的には「もう飲むな」といってましたw
マックも行きたいんですが、ダメですか?モスバーガー は?などブランドに別けて質問したり、結局「私サブウェイよく行くんですけど、野菜大盛りなのでセーフですよね?」というところになり「まぁ死にたければどうぞ」くらいのテンションでバッサリ斬られてました。
みんな強いね・・・。
3日目くらいから、教育入院のメンバー以外の見た目完全に病人の方たちと一緒に勉強するようになりました。包帯巻いていたり、点滴みたいなやつをカラカラ引っ張ってたり。この方々もいわゆる糖尿病が悪化していよいよな方だそうで、中には「明日足を切る」という衝撃的なポジションの人もいました。先生も「○○さんは明日、足とお別れなんですよね(笑)」といい、ご本人も「まぁ少し体重が軽くなりますよハハハ」となぜかハイテンション。さすがにこうはなりたくないと(笑)
ある日団欒室を覗いたら先日、コーラがどうとかマックがどうとかずっと喋ってたおばちゃんが他のメンバーに紙を渡して何かを記入させてます。どうやら病院飯が不味すぎて改善しろの署名運動を展開しているようです(笑)「アンタもマズいと思ったでしょ?ほら書いて書いて」と鉛筆を渡されましたが、鉛筆だけうけとってそのまま部屋に戻りました。
病院内を散歩するレベルで階段を使いながら歩き、決まった時間に決まった量のきっちり計算された食事は3日目くらいから数値や体重に変化が出ます。これはマジでびびった。朝の9時、12時、3時(ちょっとしたおやつ)6時と3時間おきに食事をする、いわゆる完全にリズムをとった食生活をすると体重が落ちやすいというものらしく、食事の内容もあるんだけど、最終的には1週間で4キロ落ちました。ちなみにオヤツというのはみかん1個とか飴玉1個とかそんなレベルです。
病院ですので就寝も早いです。10時には病院も静かでまわりもみんな寝ます。寝るというかしょうがなくベットに入るって感じです。今ならスマホでアマゾンプライムな感じですが、僕は近くにあった古本屋でかってきたコンビニ本の「白竜」を読みあさって寝るという生活でした。で、これは心理的に攻める方法なのかもしれませんが、病室に必ず重病患者がいました(笑)なんか看護師が走ってバタバタしてたり、とにかくしんどそうにしてるんです。僕は効果的面でした。
白竜の中古本を大量購入(画像は拾いもの)
夜コソコソやってくるようなエロいナースさんもいず、白竜を読み、時には病院内にあるコンビニで売ってた間違い探しの雑誌を全部買い占めたりしましたが無事退院しました。あの教育入院のおかげで生活習慣全部が変わったわけではないですが(変われよ)アレがあったおかげでよくなった部分もありました。それを思い出してまた頑張ろうと思います(唐揚げを食べながら)
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