AmazonのAIモデル、Amazon Novaを試す
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NO AI(人間が書きました✍️)
AI系ポッドキャスト(耳で学ぶAI)運営の矢野哲平(@robothink_jp)です。この記事ではAmazonから新しく発表されたAIモデル、Amazon Novaを試してみたメモです。
Amazon Nova
2024年12月に発表されたAmazonの生成AIモデルです。
Nova Pro
Nova Lite
Nova Micro
上から順にPro, Lite, Micro。そしてNova Canvasという画像モデルもあります。
Amazon Novaを試そうと思ったキッカケはNovaの料金がすごく安いんですよね。
安いAIモデルと言えばGemini 1.5 Flash 8Bが有名ですがAmazon Novaも負けじと安い。
ちょうどGemini 1.5 Flash 8Bで英語の字幕ファイルを日本語に翻訳するツールを作っていました。API料金が安くなるなら試してみようと思ったわけです。
Amazon Novaを試す
まずは以下のページからモデルを利用するためにリクエストします。
https://us-east-1.console.aws.amazon.com/bedrock/home?region=us-east-1#/modelaccess
次にPlaygroundで試してみます。リクエストから5分ほどでモデルの選択ができました。
https://us-east-1.console.aws.amazon.com/bedrock/home?region=us-east-1#/text-generation-playground
約6分ほどの字幕ファイルを英語→日本語に翻訳してみました。デフォルトで設定されているアウトプットトークンが低いので最大値の5,120に変更。
結論言うとNova MicroよりGemini 1.5 Flash 8Bの方が精度は良かったです。プロンプトを工夫すればなんとか行ける気もしますが。
ただ、価格の割にはNova Microも悪くないぞ…?という印象を受けました。日本語プロンプト、日本語のアウトプットも可能です。
Nova LiteとProで試す
上位モデルのLiteとProで試してみます。
結論としてはNovaの上位モデルでもGemini 1.5 Flash 8Bの方が字幕ファイルの翻訳タスクでは精度が高いと感じました。
結果としてGemini 1.5 Flash 8Bから乗り換えるのは見送りましたが、この安さは見逃せません。
いったん価格を整理
Amazon Novaの料金表ですが1K、つまり1,000トークンあたりで記載されています。OpenAIやGeminiは1M、つまり100万トークンあたりで記載しているので少しややこしいです。
100万トークンベースに修正すると以下のようになります。
Nova Pro:100 万トークンあたり 0.80 ドル / 3.20 ドル
Nova Lite:入出力 100 万トークンあたり 0.06 ドル / 0.24 ドル
Nova Micro:100 万入出力トークンあたりのコストは 0.035/0.14
例えば、Nova MicroはGemini 1.5 Flash 8Bよりも若干安いです。(Gemini 1.5 Flash 8B→0.0375/0.15 ドル)
ただ、どのモデルも他の生成AIに比べて速度が遅い傾向にあります。Nova ProはGPT-4oより遅く、Nova MicroはGemini 1.5 Flash 8Bより遅いといった感じです。
今後の展開が気になるモデル
今回は字幕ファイルの翻訳タスクという限定的な私のタスクで比較してみました。結果としてはGemini 1.5 Flash 8Bの方が精度が良かったので乗り換えることはありませんでしたが、他のタスクでも検証していく必要があると感じました。この安さは本当に見逃せないですよ…
2025年初頭にさらに高性能なNova Premierがリリースされる話しもあります。それ以外に音声読み上げやマルチモーダルな展開も予定しているとのこと。
特に生成AIを使った開発ではAPI料金は大きな要素になるので引き続きチェックしたいと思います。
参考サイト:
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