シンガポールGovTechチーム考案のCO-STARフレームワークでプロンプトを作成
[読了目安: 4分]
AI系ポッドキャスト(耳で学ぶAI)を運営している矢野(@robothink_jp)です。この記事ではCO-STARフレームワークという手法でプロンプトを作成するアプローチを解説します。
シンガポールのAIへの取り組み関してはポッドキャストでも配信しています。音声で聴きたい方はこちら👇
CO-STARフレームワーク
シンガポールGovTechチームが考案したプロンプトを作成するためのフレームワークです。別の機会でシンガポールのAI事情について触れたいと思いますがシンガポールは国を挙げてAIに取り組んでいる国でもあります。AIのコンペを開いたり公務員専用のAI環境を整えたり。
そんなシンガポールのGovTechチームが考案したのがCO-STARというフレームワーク。
Context(背景)
Objective(目的)
Style(文体)
Tone(トーン)
Audience(聴衆)
Response(応答)
これら6つの要素に基づきプロンプトを構造化するのがCO-STARフレームワークです。
Context
プロンプトに含める背景です。AIがタスクの背景を理解することを促します。
例: 政府が発行した世界情勢とAIの資料を深く理解したい。PDF資料は200ページ近くあります。
Objective
プロンプトの目的です。何を行いたいのか目的を明確にします。
例: ユーザーが添付したPDF資料の詳細な章ごとの要約をすること。
Style
出力のスタイルを指定します。
例: 元のPDF資料の文体に倣うこと
Tone
出力のトーンを指定します。フォーマルや砕けた文章など。
例: フォーマル
Audience
聴衆の意味で、ここでは出力を見る側を指定します。
例: AIに関する知識を持つビジネスマンが読者。難しい単語は分かりやすい単語に変更する
Responce
出力のフォーマットを指定します。
例: 冒頭にレポートの目的と概要、各章の要約、結論で構成する
プロンプト例
例としてレポートを要約するプロンプトをCO-STARフレームワークに沿って構造化します。
対象としたレポートは先日、内閣府が発行したこちらのレポート👇
###Context###
日本政府が発行した世界情勢とAIに関するレポートを要約します。
###Objective###
あたなのタスクはPDF資料の詳細な章ごとの要約をすることです。
レポートの要点を漏らさず説明してください。
###Style###
元のPDF資料の文体に倣うこと
###Tone###
フォーマル
###Audience###
AIに関する知識を持つビジネスマン向け。難しい単語は分かりやすい単語に変更します。
###Responce###
以下の項目を含めてください
- 序論:レポートの目的と概要
- 各章の要約:各章ごとの重要なポイントと要約
- 結論:レポートの総括と今後の展望
こちらのタスクはGoogle AI Studioで行いました。Google AI StudioはGoogleが運営する言語モデルのお試し環境のようなものです。200万トークンを処理できるので大容量ファイルも処理できます。
精度を上げたいタスクで活躍する
CO-STARフレームワークは通常のプロンプトで導入する必要はありません。例えば「⚪︎⚪︎を教えて」のような短いプロンプトで導入するメリットは低いです。ですが、要約や文章生成のタスクにおいてはフレームに従ってプロンプトを構造化するだけで精度の高い結果を得ることができます。
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