RoboSapiens 製品開発秘話<その1>
投稿間隔が少々空いてしまいましたが、3回の予定で、RoboSapiensの製品開発秘話をお届けしたいと思います。
前回お届けした「はじめまして、RoboSapiensと申します」の、代表の長尾の話や社名や社名ロゴに込めた思いもあわせてごらんいただけたらと思います。
最初に目指したのは、「ラストワンマイル」のための自律移動ロボットだった
長尾が最初に開発しようとしたのは、「ラストワンマイル」のためのロボットでした。
物流の世界では、車の自動運転がレベル4や5になり宅配が自動化されたとしても、マンションやビルの入り口から、自室やオフィスの入り口までのお客様へ商品を届ける物流の最後の区間の問題があり、それを「ラストワンマイル」といい、その自動化を実現する自律移動ロボットを開発したいと長尾は考えました。
課題となったエレベーターの乗り降り
開発をスタートするにあたって大きな課題の一つに、エレベーターの乗り降りがありました。
自律移動ロボットがエレベーターに乗り降りするには、二つの方法が考えられました。
1.通信でエレベータを呼び出す
2.物理的にボタンを押して呼び、行先のボタンを押す
中国など海外では1.の方法が普及していたのですが、日本ではセキュリティなどの関係からそれは難しく、2.の方法で進めることにしたそうです。
長尾はロボットアームでスイッチを押す方法を開発しようとしましたが、エレベータの広い範囲のスイッチを押すためには、ロボットアームが大きく重くなってしまい、エレベータ内でアームが思うように動かせません。
解決の糸口は、大学時代の研究室
その時、長尾が思いついたのが、大学の研究室の先輩が東京大学総長賞を受賞した、巻尺機構のアクチュエータでした。その先輩とは、nomenaの設立者で、東京オリンピック・パラリンピック聖火台の機構設計も担当された武井祥平さんでした。
長尾は武井さんの協力を得て、巻尺機構を利用することで省スペース化・軽量化を実現し、スイッチを押す動作をおこなうことができる巻尺アクチュエータを開発。武井さんとともに、2021年に特許を取得したのでした。
Karugaroo(カルガルー)誕生!
そして、巻尺アクチュエータを採用し製品化されたのが、Karugarooでした。
しかしながら、物流の「ラストワンマイル」には競合がひしめき、なかなか厳しい状況でした。
そんな時、Karugarooに組み込まれた機構に興味を持ったある企業から、長尾にお声掛けがありました。
その続きは、また次回にて。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます!