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AI新手

 どんなに考えても、どんなに考えを無にしても、勝ち目がない。こちらの微かな動き出しを見透かして、容赦ない応手が飛んでくる。負けて覚えるものは痛みしかなかった。普通の手は通用しない。グーでもチョキでもパーでもない新しい手をひねり出すのだ。AIが驚く顔はどんなものだろう。ついにとっておきの手を繰り出す時がきた。「これならどうだ!」敵は動揺する様子もなくすぐさま見たこともない新手を返してきた。それはグーでもチョキでもパーでもない、こちらの想像を超えていく奇妙な手だった。「光速流の対応だ!」やはり僕は負かされてしまうのか。


敗着の
一手を悔いて
お茶をみる
まぶたの下は
スイート・コーン

(折句「バイオマス」短歌)


#短歌 #小説 #負けました

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