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【曖昧コラム】ベストため息プレイヤーへの道
「もう少し上手くため息がつきたい」
だけど、なかなか思うようにはいかない。
悩んでいるなら少しため息のつき方にアレンジを加えてみるべきだ。いつも似たようなため息をついていないか。同じ調子で同じ長さで同じ重さで。それでは上達も望めないというもの。多様性のあるため息を持っていれば、ため息に対する姿勢も変わる。数あるため息の中から、自信を持ってこれだというため息が現れてくるかもしれない。
ため息をつくに当たって、ただため息だけをついて終わってないか。純粋ではあるが、もっと他力を借りてもいいのではないか。例えば、絵手紙においては絵と言葉が一体となり互いを高め合っている。ため息が孤独でなければならないという決まりはないはずだ。
手紙に絵を添えるように、ため息に言葉を添えたっていい。
例えばこんな風に、
「何も変わらないなあ」はーー
「お金入ってこないなあ」はーー
「夏も終わりか」はあーー
「また雨か」ふーー
「夕日きれいだなあ」ほーーお
「誰もいなくなったな」しゅーー
「詰んだか」ひえーー
ため息に言葉の力が加わることによって、ため息に厚みが増すのではないだろうか。ため息とコラボすることを前提として、種々の言葉を発掘する楽しみができればそれもいいことだ。
どんな時でもため息をつける自分であるか。素直な自分を封じ込めていては、ため息なんてつけないのではないか。上手い下手は別にして、まずはいつでも自分を解放できる用意がないと、真のため息つきに到達することは難しい。たかがため息だと侮っていてはため息の方が逃げて行く。
時には1つのため息を呑み込んで次の機会を待ってみる。つけるところをあえてつかないで力をためておく。ワンテンポずらすことによって次のため息を数段パワーアップできる可能性がある。これは大変なリスクを伴うので最初の内はあまり無理をしないこと。予備知識程度にとどめておきたい。
世の中にはため息を忌み嫌ったり、苦手意識を持つ人がいる。中にはため息と聞くと露骨に不快感を表す人がいる。ため息はみんなの人気者ではない。むしろ、どちらかと言えば不要不急の部類に分けられもする。
ため息を扱う者は、そうした空気にも敏感でなければならない。
身の危険を感じた時は、決して派手なため息をつかないこと。
エアーため息を使えるようにしておくと心強い。