第323回大阪発流行歌ライブ、松前ひろ子・永井みゆき・門松みゆき・友貴一彰・金村ひろしが出演
◆ 第323回大阪発流行歌ライブが2024年9月18日、大阪・心斎橋のライブハウス、BIG CATで開かれた。デビュー55年を迎えている松前ひろ子(徳間ジャパンコミュニケーションズ)から、永井みゆき(テイチクエンタテイント)門松みゆき(日本コロムビア)友貴一彰(徳間ジャパンコミュニケーションズ)推薦曲コーナーの金村ひろし(テイチクエンタテイント)まで5人が出演して、最新曲などを披露した。
松前ひろ子はデビュー55年記念曲第2弾の「漁り火情歌」と、そのカップリング曲「波止場で汽笛が鳴く夜は」などを披露した。
大阪発流行歌ライブへの出演は10年以上もの間が空いているといい、久しぶりのステージを見せた。
ライブでは歌とともに苦節55年の歌手人生の一端を明かした。「デビュー2年の時、乗っていたタクシーの事故に遭遇しました。それから8年のブランクの後、ソニーレコードから再デビューしたのですが、すでに歌手松前ひろ子は忘れられていました。それでも従兄弟の北島三郎には頼らず1人で歩いてきました」
両親には歌っているステージを見せたい、という夢は捨てずに努力してきた55年で、その想いを込めて14年に出した「知床情話」のカップリング曲「夢」も歌った。
永井みゆきはデビュー33年目で、大阪発流行歌ライブには最多出演の29回を数える。デビュー曲で自身最大のヒット曲「大阪すずめ」を聴かせるとともに、新曲の「磐越西線 津川駅」とカップリング曲の「雨の桟橋」も披露した。
磐越西線は鉄道ファンなどの間で人気の高い路線。そこの新潟県阿賀町にある無人駅津川駅をはじめ阿賀野川、麒麟山といった自然を歌っている。
永井はこのところ旅情を誘うご当地ソングを数多く歌っている。新曲もその1曲で、阿賀町のPR大使を務める。「私の新しい代表曲になるように頑張ります」と力を入れる。
この日歌った「地吹雪情話」は青森・津軽が舞台であるし、前作の「津屋川みれん」では彼岸花が美しく咲く岐阜県海津市の津屋川を歌う旅情演歌である。
5年ぶりの出演となった門松みゆきは19年のデビュー。デビューした年に2回出演したが、その後はコロナ騒動などで、出演は遠のいていた。久しぶりに聴かせた歌唱は歌手としての成長ぶりを感じさせていた。
リズム感あふれる新曲「今もヨコハマ」は、31歳という彼女らしい都会的なメロディーが聴くものを惹きつけていた。
今作はカップリングに2曲を収録しており、いずれも披露したが、そのひとつが再収録したデビュー2枚目のシングル「浜木綿しぐれ」。ちあきなおみの「かもめの街」もカバー収録して、新たな挑戦を感じさせていた。
友貴一彰は2度目の出演。金沢出身で、2011年にウェブクウから「星空の翼」でデビューしている。2年ぶりの新曲は出身地の金沢を舞台に歌った悲恋演歌「金沢の夜」は、7枚目のシングルでもある。
これを自身のコーナーのオープニングとエンディングでそれぞれ披露した。
前作の「哀しみの雨」、絆と愛をテーマに歌う「虹を抱きしめて」といったオリジナル曲のほか、「河内おとこ節」なとカバー曲も聴かせた。
初出演の金村ひろしは7月にリリースした新曲の「夢の旅路」をはじめ3曲を歌った。
新曲は昨年妻を亡くしたという彼が「もう1度歌手として頑張る」といった前向きの気持ちを示したもの。