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朝花美穂 神戸でクリスマスランチショー 新曲「銀のかんざし」や「瞼の母」など全15曲歌う  インタビューも

◆地元では楠公(なんこう)さんで親しまれている楠木正成を祀った神戸市にある湊川神社の境内の楠公会館で、デビュー7年目で26歳の朝花美穂(徳間ジャパンコミュニケーションズ)が2024年12月15日、クリスマスランチショーを開いた。3日前には同じ神戸市内でKOBE流行歌ライブに出演したばかりである。

笑顔いっぱいに歌う朝花美穂

 会場いっぱいに詰めかけたファンを前に朝花美穂は、「お初にござんす、朝花美穂」でオープニング。オリジナル曲、カバー曲を合わせて15曲を歌った。アカペラで美空ひばりの「人生一路」「悲しい酒」の一節も披露したり、アンコールには予定していた曲以外に、1曲を追加するなどのサービスぶりで、楽しさあふれるステージであった。

 中盤のカバー曲メドレーでは内海美幸の「酔っ払っちゃった」から川中美幸の「ふたり酒」都はるみの「惚れちゃったんだョ」など7曲を客席をラウンドしながら聴かせると、観客は大喜び。

オリジナル曲からカバー曲まで

 12月4日にリリースしたばかりの新曲「銀のかんざし」をはじめ「しゃくなげ峠」「兄さ恋唄」と、売られていく女性の切なさを歌った遊女シリーズ3部作も披露した。
 テレビ番組「人生、歌がある」(BS朝日)では12月のマンスリーゲストとして出演しており、新曲を披露しているという。

客席をラウンドする朝花美穂

 ラストはお馴染みの長編歌謡浪曲「瞼の母」。アンコールには都はるみの「好きになった人」を客席で歌ったが、予定外のリクエスト曲、北島三郎の「風雪ながれ旅」にも急きょ音源を用意して応えていた。


 終演後、「Music news jp」のインタビューに答えて、三波春夫の長編歌謡浪曲への挑戦や来年の目標などについて話してくれた。1問1答は次の通り。

自分の世界観を作りたい

ーー 22年の「しゃくなげ峠」から今作の「銀のかんざし」まで、3作続いて遊女へと売られていく女性が主人公の歌です。今では遠い世界の話のようですが、歌手としてどのようにとらえて表現していますか。

 「こういうふうに表現しようとか、特に意識せず、もず唱平先生の詞を忠実に歌っています。今作は前2作と違って、主人公の気持ちがスッーと入ってくる作品です。主人公になり過ぎると悲しくなるので、寄り添って歌う感じです」

ーー シリーズ3作のオムニバス作品は映像が浮かんできそうな歌ですが、表現するにあたって、やはり大好きな大衆演劇が重なってきますか。

 「大衆演劇は関係ないですね。今作の歌い出しは凄い内容で、最初に詞を読んだ時には衝撃でした。どういう風に歌うのが正解なんだろう、と思って自分との戦いの時間が結構ありましたね」

ーー たとえばどんな点で迷いましたか。

 「歌い方です。師匠の宮下健治先生からは、歌うんじゃなくて、語るように言葉を伝えるように、とアドバイスをしてもらいました。そのあたりから歌の雰囲気がつかめるようになりました」

ーー 朝花さんと言えばやはり大衆演劇ですが、これが歌の表現にどのように役立っていますか。

 「今は大衆演劇も観る機会がないんですよ。歌への影響はないですね。大衆演劇からは、たとえば女の人がやくざを演じる場合のしゃべり方などを学びました。それもあまり歌には関係ないですね」

ーー それでも長編歌謡浪曲には役立っているところもあるのでは。

 「長編歌謡浪曲では『元禄名槍譜 俵星玄蕃』では三波美夕紀先生にお稽古を付けてもらっていますが、自分の色を出すよりもなるべく三波春夫さんの歌を崩さないように、と指導を受けており、大衆演劇のくささは出さないょうにしています」
 「レッスンではまず私が歌うのですが、それに対してそこはそうじゃないーと、所作も含めて1つひとつアドバイスをもらっています」

ーー 三波春夫さんへの挑戦はまだ続くのでしょうか。

 「お稽古は続きますが、来年あたりからは『俵星玄蕃』以外の新しい歌への挑戦も考えています。三波春夫さんの俵星玄蕃は中学生の頃から歌っていますし、もう何百回と聴いてきました。早口の長台詞のところは難しいですね。三波春夫さんしか表現できない世界が魅力的で尊敬しています」

大先輩の川中美幸さんが目標の1人

ーー 今月22日には石垣島で川中美幸さんとのライブがあるとか。川中さんは女性歌手としては目標とする1人ですか。

 「石垣島でのイベントは毎年行っており、今回は川中先輩と一緒です。川中さんは大スターなのに同じ目線で話をしてくださり、笑顔と歌声が大好きでやはり尊敬する1人です」

ーー ところで今年も残り少なくなりましたが、来年の目標を聞かせて下さい。

 「今年は色んなカバー曲に挑戦してきました。来年も歌って行きますが、その際に自分の色を出さないょうに、オリジナル曲を崩すことなく歌い、しかも自分の世界観を持つのが目標です」

ーー ありがとうございました。

 朝花は、書き下ろしの「夢の道」「麻生の渡し」の新曲2曲を含む12曲を収録するアルバム「美穂の演歌名曲集2」を25年1月29日に発売する。
 明日は東京でそのレコーディングであるという。
(Music news jp 曽崎重之)

@3528

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