浜博也、ムード歌謡の旗手復活へ 「ヒトリヨガリ」好調 有線リクエストチャートで1位
◆ムード歌謡の浜博也(テイチクエンタテインメント)が復活ー。2024年8月にニューシングル「ヒトリヨガリ」(作詞・鮫島琉星、作曲・大谷明裕、編曲・石倉重信)をリリース。同28日付の有線チャートで1位にランキングされるなど、ムード歌謡の旗手としての期待が高まっている。22年に発売した「妻という名の・・・」(同)23年の「知りたがり」(同)に続くムード歌謡シリーズ第3弾で、「知りたがり」に次ぐチャート1位。これからムード歌謡をますます盛り上げて行きたい、と話している。
鶴岡雅義と東京ロマンチカの3代目リードボーカルとしてデビューしてから42年間歌ってきた浜博也は、一般的には〈ムード歌謡〉の冠が付く歌手として知られてきた。
ところが浜の歌手人生はそんな簡単な言葉で言い切れるものではなかった。ムード歌謡のメッカであったキャバレーが無くなったとか、カラオケ大会ではムード歌謡曲では優勝できないとか、色んな理由からムード歌謡の人気衰退もあって、ソロ歌手転向後の彼の迷走ぶりはムード歌謡の浜博也とはほど遠かった。
「42年間歌ってきて1番CDが売れたのは『情け雨』(作曲・岡千秋、12年)という演歌でした」と、浜がいうように、ここ最近は演歌歌手としての顔が色濃かった。
そんな中で再びムード歌謡への想いに火をつけたのは、「作詞家鮫島琉星と作曲家大谷明裕の作品との出会いによるものであった」と、浜はいう。
それまで演歌路線の作品を歌っていた彼は、19年の「夕凪橋〜ゆうなぎばし〜」から3作続けて、鮫島作詞、大谷作曲の歌謡曲を歌い、連続して有線リクエストチャート1位を獲得しているのである。
つづいての今作を含むムード歌謡3作のうち2作品で、同チャート1位を取っているが、いずれも鮫島・大谷のコンビによるものである。
ラテンテイストに仕上がって、一段とムード歌謡色を強めている今作「ヒトリヨガリ」てあるが、人気の要因にはどのようなものがあるのだろうか。
それについて浜は「トランペットなど金管楽器を使ったプラスセクションを採用しているのと、ムード歌謡にあった自分の声で勝負をかけた」と、力説する。
再びムード歌謡が受け入れられる明るい兆しもある。「テレビでムード歌謡特集をすると視聴率が2〜3ポイントアップするらしいんです。それに先ごろ歌手数人でムード歌謡ライブを九州各地で開催したら、どの会場も大入り満員でした」(浜)など、ここにきて人々がムード歌謡を求めている傾向が強いことが挙げられる。
「ファンの皆さんが浜博也は演歌よりもやはりムード歌謡がいいよねーといった声を沢山寄せてくれています。それに押された」と話す浜。まだ暗中模索のところもあるようだか、ムード歌謡が歌える歌手仲間と一緒にコンサートやライブをやろうよ、と話し合っているという。
復活の日も遠くないのかもしれない。