第227回KOBE流行歌ライブ、ステージを盛り上げた山口ひろみ・7年ぶりのあさみちゆき・ゆーたコールの伊達悠太
◆山口ひろみ・あさみちゆき・伊達悠太のテイチクエンタテインメントの歌手3人による第227回KOBE流行歌ライブが2024年10月17日、神戸市兵庫区の新開地アートひろばで開かれた。ライブのエンディングを務めた山口はラスト曲に08年リリースのリズミカルな楽曲「知床番屋」を選び、笑いを誘う振り付けとともに賑やかに締めくくった。
山口ひろみは6年間の北島三郎の内弟子を経て歌手デビューして22年になる。そのデビュー曲「いぶし銀」から、札幌・すすきのを舞台に歌った人気曲「その名はこゆき」へとつないだ。「その名ーー」は師匠北島三郎の作品をカバーしてリリースしたもの。彼女の代表曲でもある。
前作の「三井の晩鐘」では、近江八景のひとつ三井寺(大津市)で、切ない音色の晩鐘が旅情を盛り上げてくれる。暮れなずむ大津の町に響く晩鐘の音が聞こえてくるようである。
彼女の新曲は7月に発売した「恋問海岸」。北海道・白糠町にある同名の海岸が舞台である。「カタリとサビの部分がはっきりとした歌い甲斐がある楽曲」(山口)とコレを披露した。
ラスト曲の「知床番屋」では客席から大きな〈ひろみコール〉を浴びて、リズミカルな音楽に合わせてを右左と忙しく動いて歌唱。時折り、腰を振ってみせるポーズには観客も大喜び。流石、笑いとオチを求める大阪人ぶりを発揮。
あさみちゆきは24年6月に約7年ぶりの新曲「白い花飾って」を出して、KOBE流行歌ライブへの出演も7年ぶり。移り住んで6年になる岩手県盛岡市で2人の子育てに追われる毎日であるが、「こうしてステージに立って歌えることが楽しくて仕方がない」と話す。
今年はデビュー21年目のスタートの年。「それに相応しい楽曲を」と杉本眞人に依頼。出来上がったのが「白いーー」であった。
あさみと言えば01年から始めた東京・井の頭公園での赤いビール箱の上で歌うストリートライブである。今も月に2回、盛岡から遠征して歌い続けており、12月にも歌う予定だという。
「最初はラジカセでカラオケ音源を再生して歌っていましたが、今はギターの弾き語りで、照明は太陽です。生きている限り続けます」
人気曲の「鮨屋で…」「青春のたまり場」も聴かせた。
伊達悠太はKOBE流行歌ライブではもうお馴染みの顔。上京して20年になるが、出身は道南の伊達市。今年4月には同市の観光大使にも任命されている。そんなこともあって、2年前の「涙のララバイ」を歌って、早速に地元のPRを始めた。
「白い皮の〈雪化粧〉といったかぼちゃが取れるんですが、美味しい野菜を沢山作って伊達市の名産にしてほしい」と、要望もしているとか。
新曲は今年8月にリリースした「サバイバル・レイディー」。カップリング曲を変えた黒盤と赤盤の2形態を発売しており、黒は「あの歌をバラードと呼ぶなら」赤は「純愛(じゅんな)」。表題曲とともに、それぞれ披露した。
3曲いずれも作詞は朝比奈京仔、作曲は杉本眞人、編曲が猪股義周といった作家陣による作品である。「『あの歌をーー』は『純愛』の10年後の物語を歌っています」
と両方を聴いて初めてストーリーが完結するといった仕組みが心憎い。
また、KOBE流行歌ライブ恒例の昭和歌謡コーナーでは伊達が「千恵っ子よされ」(岸千恵子)あさみは「圭子のの夢は夜ひらく」(藤圭子)山口は「道頓堀人情」(天童よしみ)をそれぞれカバーした。
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